
(河合)
だから僕が言うてるとおりだったら、もっと日本人はイライラしたり、喧嘩がおこったりするはずやけど、あんまりしていないでしょう。これはやはり意識的にまだどこかで仏教的なんです。
(中沢)
安心があるんですね。
河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集『仏教が好き!』第5章<幸福の黄色い袈裟>の4番目の見出し、<日本人は無意識的にどこかで仏教を持っている>にある河合さんの視点を引用しています。
この見出しの最初で、中沢さんが「経済や社会システムは、キリスト教的世界観を背景にしている西欧製のものを受け入れたけれども、……」と、日本古来の「良質なもの」が変化している、という現代の日本を少しネガティブに捉えている言葉を受けて、河合さんが、「案外そうでもないよ…(言葉にはしていませんが)」と、修正しているシーンです。
中沢さんは、河合さんの「柔らかな修正」の意図することをすぐに察したのでしょう。「安心があるんですね」と応じる場面は、まさに「仏教的な世界観」が伝わってきます。
筆者はここで、阪神淡路大地震や東日本大地震の後、諸外国から寄せられた声を思い出しています。このようなカタストロフ的大災害に見舞われると、暴動が起こり、商店からモノが盗まれる、といった事態が発生するのが往々にもかかわらず、日本では秩序だった行動を皆が「あたりまえ」のようにとっている、と。
私たちが「あたりまえ」に感じていることは、諸外国ではどうも「あたりまえではない」ようです。河合さんの語る「無意識的な仏教」とつながります。
ですから、「日本人の多くが自分のことを『無宗教です』と答える」のは、西洋製のもの(キリスト教的宗教)に影響されているのであって、日本人の多くは「無意識的仏教徒」であるということですね。
ここで、ふと「日本人の多くが自分のことを『無宗教です』と答える」と、さもあたりまえのように書いてしまいましたが、一応データの裏付けを押さえておこうと思い、生成AI(Copilot)に質問してみました(河合さんの視点も織り込んで)。回答を引用します。
はい、具体的な調査データがあります。
博報堂生活総研が2024年に実施した「生活定点調査」によると、「宗教を信じない」と答えた日本人は83.1%にのぼります。この割合は1992年の初回調査から18.6ポイント増加しており、年々「無宗教」と感じる人が増えている傾向が見られます。
ただし、これは「宗教を信じるかどうか」という問いへの回答であって、「宗教的な感性」や「文化的な宗教性」を否定するものではありません。河合隼雄さんが言うような「無意識的にどこかで仏教的」という感覚は、こうした統計では捉えきれない部分かもしれませんね。
この数字をどう読み解くかは、まるで苔の下に隠れた水脈を探るような作業。あなたなら、どんなふうにこの「無宗教」の感覚を捉えますか?
ちゃんと筆者の意図を受けとめ、まとめてくれました。最後の「文学的表現」は、まだまだですが(笑)。
それでも河合さんは、日本の社会、そして仏教のお坊さんの在り方に警鐘を鳴らしています。最後に引用し、次回は5番目の見出し<現代の仏教的幸福とは>に移ることにします。
(河合)
……ある意味で言うと、悟りを開くということは、言うならば、自分を包んでいる「膜」が弱くなって我執がなくなる。それが悟りですよね。弱くなったつもりで、「おれは悟った」と言うてる人が、金が儲かってくると、また我執が復活してきてぐわーっと利己的になってくる(笑)。だから悟りを開いたはずのお坊さんがやけに金に……。
(中沢)
執着して。
(河合)
執着したり、それからバカな遊びをやり出すでしょう。あれはそれほど物質のないところで悟りを開いているから、モノが来たらやられるわけですよ。これも僕、大問題だと思うんです。
(中沢)
アジア的大問題だ。
(河合)
そう、そう。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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