常泣菩薩が転生すると観音菩薩となって慈悲の心と千手観音が顕れる

(中沢)
観音様が観音様になる前は常泣菩薩って言われてました。いつも泣いてる菩薩さんです。いつも泣いている菩薩がいて、なぜ泣いているのかというと、世界を見ると、生き物を見ても悲しくて悲しくてしようがない。どんなちいちゃい生き物でも、みんな苦しみを背負っているのを見て、悲しくてしようがないから泣いてばっかりいた菩薩様がいて、それが次の転生を果たした時に、観音様になるわけです。常泣菩薩…常に泣くっていう…というのは、センチメンタルで泣いてるんですね。虫を見て、おばあさんを見て泣いたりしてる。
(河合)
それは面白いね。

前回に続き、河合隼雄さんと中沢新一さんの『ブッダの夢』の第2章6番目の見出し「非情な悲しみ」を取り上げます。

河合さんは、宮沢賢治の悲しみを「非情な悲しみ」と捉えます。この解釈については、前回の解説で紐解いています。中沢さんも共感し、そこから引用の「常泣菩薩」につながったわけですが、宗教学者である中沢さんの仏教に関する造詣は凄いですね。次々と逸話が開示されます。
河合さんは、くりかえし「センチメンタル」について言葉にしています。この意味を理解した中沢さんは、常泣菩薩がその状態であり、それが「観音様」に変身するシーンを、賢治の悲しみとシンクロさせて、河合さんに次のように説明します。

(中沢)
悲しみが極限まで来た時、彼はぽーんと飛んで、今度は観音の非情な悲しみに達する。その時、観音様の慈悲というのが完成する。センチメンタルの時は、慈悲でないんだというんです。

筆者はここで少し疑問を感じました。「観音様」と「菩薩」が異なるものと説明されているようですが、「観音菩薩」とよく耳にしますので、少し混乱しています。調べたところ、「観音様」も「菩薩」のグループで、「観自在菩薩」が正式呼称のようです。グーグルで検索すると、トップにつぎのように出て来ます。

観自在菩薩(かんじざいぼさつ)は、仏教の菩薩の一尊で、観音菩薩(かんのんぼさつ)とも呼ばれます。慈悲の心で人々の救いを求める声を聞き、苦悩から救い出す役割を担っています。

真言密教の根本思想では「無量寿如来(阿弥陀如来)の菩薩の位」とあるので、「常泣菩薩」とは、ステージの全く異なる菩薩であることが理解できました。センチメンタルにただ「泣く」のではなく、人びとの苦しみを救おうとアクションを起こしてくれる菩薩です。
コーチングの思想に「人は変わることができる」が、確固として存在します。それは「実践」によって実現していくのですね。

この第2章のテーマ(タイトル)は「宗教と科学は対立しない」です。「科学者宮沢賢治+法華経への信仰心」が、中沢さんの思想によって、見事につながりました。引用し、今回のコーチング解説を終えることにします。

(中沢)
常泣菩薩の時は、ああ悲しいと言って、無力なんです。ところが、僕はここが賢治の科学と関係してくると思うけど、観音様になった時に、千手観音になるわけです。つまり、千の手を持って、つまり技術を持つわけですね。技術を持って、実践に移っていくわけです。非情な悲しみ…慈悲と言われているものを持って、あの千の手を持ち、千の目をもったものになっていく。賢治の科学って、こういうこととも関係しているのかなと思います。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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