「電話」は嘘をつく余裕のないコミュニケーション・ツールである!

前回取り上げたのは「中断」でした。カウンセリングのクライアントは、精神的な重い悩みを抱えているのが一般的であり、「セッション継続」が最大のテーマになることも多いのです。ですから河合隼雄さんは「中断」に関して、多くの紙幅をとっています。

私は原則として、クライアントが来ないときに電話をかけません。というのは、電話はすぐに返事をしなければなりませんから困ります。「あなたはなぜ今日来ませんでしたか」と言うと、相手は噓をつく余裕がないのです。これが手紙や、一週間後に会うときですと、クライアントは適当な言いわけを考えることもできます。そしてわれわれは、まずその言いわけや嘘さえ尊重してゆくことが必要なときも多いのです。(200ページ)

引用した河合隼雄さんの『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』は、1970年に刊行されていますから、Mailは存在しておらず本当の手紙です。今日では、ビジネスでも日常生活でも、当時と比べて電話を使うことが少なくなりました。電話とは「嘘がなかなかつけない」コミュニケーション・ツールなのだと、気づかされますね。

コミュニケーションの多くが、文字を介在させた、返信の場合も時間をある程度稼げるMailが主体になったことで、コミュニケーションの在り方も当時とは大きく変わりました。ただ、河合さんは、電話で来談を促すことはめったにしない、と言葉にしながら、電話を使うこともあると言います。
多くをメールに頼る現代だからこそ、「電話とは?」について真剣に考える河合さんの言葉をしっかり受けとめてみようと思います。

ただし、私は電話をかけたこともあります。それはどういう場合かといいますと、自分の気持ちとしては、どうしても、その人は定刻に来るはずで、いくら考えてもこの人がこの時間に来ないということが私の腑に落ちない。向こうの気持ちが分からない。そして、どうしてもこのカウンセリングをやり抜きたいという気持ちが大きい場合には、電話をかけます。そのときには、原則を破って電話をかけているのだということを、カウンセラーはよく知っていなければなりません。ここで電話をしたときに、クライアントが応答に困るようなときは、カウンセラーが一人相撲をしていたのだということが分かります。
そのようなときは、あまりおしつけがましくないようにして、あっさり話を切り上げます。そして、どうして、こんな一人相撲を自分はやってしまったのかを考えてみることが必要です。(200ページ)


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