(鷲田)
……それについてはエドマンド・リーチという文化人類学者がめちゃくちゃ面白いことを言っているんです。これには私、感動しました。食のタブーと性のタブーと、侮蔑語の使用というのが、ほとんどの文化で対応関係にあるそうなんですね。食のタブーについて言うと、人間が人間を食べることを禁止しますね。それから自分を食べない。それから近親相姦に当たるのが、人間はペットを絶対食べない。要するに、自分でもないけど他人でもない、家族みたいなもの、つまりペットは絶対に食べない。
前回は、『臨床とことば』第3章の6番目の見出し、「“食事”と“性事”」を取り上げました。とても興味深いテーマが語られており、引き続き読み込んでみます。
引用は、河合さんが「性事学」について、ウイットをまぶして語った後に、鷲田さんが、文化人類学者の文献を紹介しつつ、“学者の視点”で「性と食とタブー」について、シリアスな見解を述べているところです。外国人との結婚観が大きく変化したことにも触れています。
(鷲田)
……それから、今でこそ地球全体が一つの村みたいになったから、まあ当たり前のことですが外国人との結婚も障害はもうありませんが、ある時期まで異邦人との性交渉というのは、ものすごく地位の低い人がやるとか、差別的に見られてきたわけですよ。
(河合)
そう、そうですね。
河合さんの「そう、そうですね。」という反応は、少し戸惑っているようにも感じられます(想像力を膨らませすぎかもしれませんが…)。
鷲田さんの「食のタブーと性のタブーと侮蔑語」についての語りにドライブがかかります。
(鷲田)
ついでに言うと、逆に侮蔑語はいちばん曖昧なところ、つまり、メス豚とかイヌ畜生とかというふうに、要するに、ペットとかすぐそばにいる家畜とかで侮蔑を表現してきた。だから、この三つが対応しているという論文を読んだことがありましてね。これは面白いなと思ったんです。
ある現象に興味を覚え、まずユニークな仮説を立ててみる。考え込むうちに「それは一般化できるのではないか?」という思いが兆してくる。モチベーションが高まり「ロジックとして成り立つか?」「因果関係で説明できるか?」と、研究に勤しむようになる。
鷲田さんの現象説明に触れたことで、「研究とは?」について、思考が広がりました。
さて、コーチングから少し離れたようなので、この「“食事”と“性事”」の最後で、不登校を経験した子どもたちを対象とした全寮制の中学・高等学校、「生野学園」の事例を語る河合さんの言葉を紹介しようと思います。初代校長の村山さんにまつわるエピソードです。
「“食”がいかに大切な“事”なのか」…とても伝わってくる素敵なお話でした。
(河合)
……この人がすごいと思うのは、その高等学校をつくったときに、自分が校長としていちばん必死になって探したのが賄いの人だったんだそうです。村山さんは、探し回って、すごい賄いの人を呼んでくるわけです。その賄いの人は職員会議に出とるんですよ。教育的に大事な人なんです。というのは「あの子は食っている。あの子は食わない」とか報告する。その人はものすごい心を込めて、おいしい物をつくっているわけです。ところが、皆味がわからない。それでパパパッと食うたり、よそへ行って食うたり、それは自由にしていますから。そうしているうちに、そのおいしい物の味がわかるようになったころは問題が解決やと。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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