カール・ロジャーズはカウンセリングの世界における革新者でした。その一つが、自らのカンセリングシーンの全容を世界で初めて公開したことが挙げられます。
実はこれまで、カウンセリングの内容が公開されたものは世の中に存在していませんでした。医療的な世界であり、今日的な意味での守秘義務だから…と解釈されていたかどうかは別として、フロイト派にしても「奥義」といいますか、「秘伝」的な意味合いを持たせ、その門下に入ったら教授する、というスタンスでした。ロジャーズはそれを打ち破ったのです。この事例は、まさにショッキングな出来事でした。
ロジャーズが、医療分野のセラピーにとどまることなく、カウンセリングをより広い世界に広げていくきっかけをつくった。さらにコーチングという新しい分野の扉を開くことになった。その源流をこの逐語記録の公表に見出すことができそうです。
ロジャーズは自らのセッションを開示し、その内容を微に入り細に入り解説しています。そのなかには、ミスしていることを率直に記述した部分も多く、ロジャーズらしさを彷彿させます。それは次のようなくだりです。
C26について…どうしてカウンセラーはここで割り込んだのだろうか。これは感情の流れを阻止する不必要な指示的質問のように思われる。これはクライエントの短い、沈黙で終わる応答(S28)を引き出しており、カウンセラーは再びかなり指示的な質問でそれを破らなければならないことになる。(中略)
C57について…これはこのセッションでの二つ目のミスである。カウンセラーは健全な感情の認識から遠ざかる。「あなたは誰かボールを転がしてくれなければ、と感じているんですね」というような応答ではなく、クライエントの状況に深く入り込むような直接的な質問をしている。(『ロジャーズ選集~厳選33論文(上)』より)
C26、S28 という付番は、対話の流れが簡単に参照できるように、カウンセラー(C)とクライエント=対象者(S)の応答に、それぞれ通し番号を付したものです。この逐語記録は明確であり、これまでカウンセリングに携わる専門職の人々は自らのカウンセリングスタイルを緻密に分析する必要に迫られます。ロジャーズはあいまいではない、カウンセリングの流れ(態度)についての一つの基準を世に提示したのです。
プロのカウンセラーがプロであり続けるために、そして成長していくために必須な体験としてスーパービジョンがあります。プロのカウンセラー自身がプロのカウンセラーによるカウンセリングを受けることです。まさにプロがプロからフィードバックを得て、自らのカウンセリング能力を磨いていくことなのです。
プロコーチも同様です。スーパービジョンを通して、コーチである自分の強みを認識すると同時に、改善すべきポイントをしっかり受容し、成長につなげていくことがプロコーチにも求められるのです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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