コーチングは、クライアントとコーチ双方がコーチングを実施することにつき、合意し契約を結び開始されます。コーチがどのような人物か知らないまま、契約を締結するということは通常あり得ないので、契約するかどうかに当たって、クライアントは、そのコーチについての評判や、自分との相性、人柄などを吟味し、納得して初めて契約に至る、ということになります。
『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』の第2章は「カウンセリングの過程」です。河合隼雄さんは、「最初の面接」という見出しで、コーチングにも敷衍できるポイントを語ってくれています。
もっともコーチングの場合、そもそもコーチングのことを嫌がっている人が、コーチと会ってみよう、ということはないと思われます。ところがカウンセリングは、「私のところに来た中学生や高校生で、自分から自発的に来たのは1人だけで、あとは皆誰かに言われたり強制されてきた人ばかりです」、と河合さんが言うように、過酷な初対面です。
ところが、彼らの多くが、いつの間にか河合さんのもとに通ってくるようになる… それはなぜなのか? その理由に迫ってみようと思います。
いやがるのを両親に腕をつかまれてきた中学生、部屋にはいるとすぐ椅子をうしろ向きにして座った高校生、「先生が言いたいことがあればいくらでも言ってください。私の方からは何も言うことはありません」と最初に切り口上を述べた高校生など、ほとんどの人が抵抗を示しましたが、結局は問題なくカウンセリングができたのです。(51ページ)
河合さんは、「むしろ拒否的な態度を示す人の方がかえって容易である」と言います。このような態度を示す人ほど、内的には潜在的にカウンセリングを求めていると河合さんは受けとめるのですね。
ときにはカウンセラーに対して攻撃的な人でも、それを受けいれておりますと、だんだんと悩みを話しはじめたりして態度が変わってくるものです。
これは初回の面接の問題とも関連してくることですが、最初に会ったときに、クライアントに何かその心を開かせるような、カウンセラーが可能性の世界に注目している人間であることを感じさせるようなことは大切なことです。(52ページ)
人は、関係する相手のことを五感で感じ取ります。エグゼクティブコーチングの場合、クライアントは、企業経営の荒波に立つ経営層です。その五感は研ぎ澄まされているでしょう。一方で、対人関係能力についても、河合さんの語る中高生とは格段に違うはずです。つまり、心の中では「このコーチのレベルは大したことないなぁ…」と感じながらも、エチケットとして「先生のコーチングは素晴らしいですね。気づきを得ました」と、その内心についてはおくびにも出さず、コーチを満足させ(そう感じるのは未熟なコーチですが)、でもコーチング契約は不成立、ということが往々にしてあるのです。
お金を支払うのはクライアントですから、コーチのことを徹底的に吟味しようとするのは当然です。
河合さんの「可能性の世界に注目している人間」であることを、虚心に坦懐に、相手(クライアント候補)に伝えることができている… という姿が本当のプロコーチである、と言えそうですね。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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