CBLコーチング情報局は、人への援助、サポートを行う専門家としてのコーチングを解説しています。もっとも援助に関する専門職は、コーチング以外にも、コンサルタント、弁護士、教師、さらに医師や看護師など、多岐にわたります。
さて、同じサポート業務ですが、コーチングと他の専門業務は何が違うのか？ その回答は、次の通りです。
コンサルタント、弁護士、教師、医師、看護師（など）は「技術的な専門知識」を有する専門家として、その知見に基づき、差異化した価値をクライアントに能動的に提供する。
ポイントは。最後の「能動的に提供する」です。したがってクライアントは、受動的にその価値を得ることになります。コーチングはこの点が異なります。
河合隼雄さんによる『＜心理療法コレクションⅡ＞カウンセリングの実際』の第1章「カウンセリングとは何か」に、次のような記述があります。
実のところ、私は他人の悩みや問題の解決を助けようと、直接的に援助したり、忠告や助言をしたり、環境に働きかけたり、いろいろなことをしてきました。これらの方法は効果のあがるときもありますが、なかなかうまくゆかないことも実に多いのです。そんなとき、「急がばまわれ」とでもいうべきカウンセリングに頼る方がいいことを、しばしば体験してきました。（26ページ）
カウンセリングは、精神的・心理的な悩みを抱えているクライアントが対象です。コーチングとの違いはあるものの、クライアントへの眼差し、人間観は共通しています。
クライアントが持ち得ていないテクニカルな知見や悩みは、上記の専門職が対応してくれます。コーチング、そしてカウンセリングは、そのような悩みと異なり、「あちらを立てればこちらが立たず」といった二律背反、さらに「明快な解がそもそも存在しない」といった悩みが中心となります。
河合さんは「現在できる最善のことをする」という正しい法則が、実際に役立たないことが多いと述べます。離婚するかどうか迷っているクランアントのケースで…
「私のできる最善のことをすればよい」と思ってみたところで、それが何か分からないでは何とも仕方がないのです。それよりは、もっと簡単に、「ともかく耳を傾けて聴け」ということを知っていると、それに従ってクライアントの話を聴くでしょう。ふつうだったら何か言いたくなるところを辛抱して、ずっと話を聴いていると、クライアントはいろいろと話したあげく、終わりには自分から「離婚するのはやめにします」と言い出すことも多いのです。（27ページ）
エグゼクティブコーチングにおいて、クライアントである経営層の悩みは、直接的な企業経営に関することに限りません。家族の問題が最大の悩みかもしれません。エグゼクティブコーチは、誰にも言えない悩みを抱えている経営者の声に、真摯に耳を傾けます。
この本の第1章「カウンセリングとは何か」の最後の言葉を紹介しましょう。この中の「カウンセリングをするもの」は、そのまま「コーチングをするもの」であることが実感できますね。
われわれカウンセリングをするものは、基本的には何にもとらわれず最善のことをすればよいという姿勢をもちながら、具体的には、一見馬鹿らしくみえるようなこと、たとえば「なるべく環境に働きかけないこと」とか、「ともかく聴くこと」などということを覚えてゆかねばならないのです。カウンセリングの勉強として、このような具体的なことを一つ一つ覚えてゆきながら、また反面において、それらを破ってでも基本姿勢に帰るような心がまえを失ってしまっては、細かい技術にとらわれて、最も大切なことを忘れてしまうことにもなりかねないのです。（28ページ）
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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