「恋愛」の強さは抗しがたく制御できない…?

河合隼雄さんの『大人の友情』の9話目から、12の大きなカテゴリーで構成された3番目のテーマ「男女間に友情は成立するか」に移行し、4つのエッセイが配されています。小説に限らず、男女の関係(親密な)を描く場合、「恋愛」がどうしても優位に立つイメージです。河合さんは、どのようなストーリーで、この4つの話を展開していくのか… 興味が湧いてきますね。
河合さんは、最初に「友情を破るもの」というタイトルを付し、A子、B子、C子という、とても仲の良い3人の高校生について、語りを開始します。

いつも一緒に行動し、泣くのも笑うのも一緒、という感じであった。ともかく三人そろえば楽しかったし、別々に離れていてもすぐ会いたくなった。「このうちの一人が、勝手に結婚するなんて考えられない」というのが三人の実感であった。何を話しあっても楽しかったが、ボーイフレンドは三人共に関心がなかった。

そして、C子につき合う男性ができるのです。それを知ったA子、B子も、自然に受けとめたのですが…

別にそれはそれで、三人の関係は変わらないのだから、C子が自分の恋愛について報告してくれると、参考になるだろうし、ということになったものの、実際は、C子は三人組のつきあいにそれほど熱心でなくなってくる。集まったとしても、何かにつけて、C子はD男についてのノロケ話ばかり。こうなると、不思議なことに、A子とB子との間も疎遠になってきて、三人組は自然解消した。

このショートストーリーは、一般的で、起伏の無い話で終わりました。河合さんは、続いて男性の友情をコメントします。夏目漱石の小説に触れます。

このような経験について嘆いてみせたある女性が、「女の友情なんて浅はかなものですよ」と言ったことがある。しかし、女の友情と言わなくとも、男性の場合にも似たようなことは起こる。男性の友情も、そこに女性が出現すると、たちまちにして壊れることがある。二人の男性の友人の前に現れた一人の女性を、二人共が愛することになって、そこに強い葛藤が生じる、というテーマは、夏目漱石の多くの作品に見られるところである。

河合さんは、夏目漱石の小説を語りたい気持ちを抑えるように「本論とは関係ないので…」、とコメントし、もう一つ、武者小路実篤の『友情』を取り上げます。

武者小路実篤の『友情』は、現在もよく読まれている名作であるが、ここにおいても、恋愛によって友情が壊されぬように必死の努力をしながらも、とうとう恋愛感情の方に従わざるを得なかった男性の姿が描かれている。漱石の場合もそうであるが、そこに登場する男性は極めて「誠実」に人生を生きようとしている。友情の大切さもよくよく心得ている。

4話で構成される「男女間に友情は成立するか」の1話目は、「しかし、恋愛の強さにはどうしても抗しがたいのである」、という言葉によって〆られます。河合さんは、このテーマを4つのエッセイで構成しようと思ったのか、「起」「承」「転」「結」が、それぞれ1話ずつとなっている印象です。

CBLコーチング情報局の「コーチング大百科」は、基本的に「1話完結」を心がけていますが、今回は、河合さんの試みにお付き合いしようと思います。臨床心理“学者”である、河合さんの視点が伝わってくる、ストーリーになっています。ご期待ください。


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