河合隼雄さんが『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』で語る「中断」を、前回に引き続き紹介してみようと思います。
プロコーチが実践を続けていくなかで経験する「中断」を、どう捉え、どう受けとめていけばよいのか… そしてプロコーチとして大きく成長するためには何が必要なのか… その鍵を見つけることが出来そうです。
はっきりした中断ではなく、数回会ったとき「もうこのことは自分で考えます」と言ってやめたクライアントのケースです。河合さんは「大きい問題が残されていることが分かるのでつづけたかったが、自分で考えるなら、そうしましょうということになりました」と、説明します。
その人は会う機会があるので様子を見ていますと、だんだんよくなっていくのが分かるのです。そして、私に会っても、あいさつの仕方とか、ものの言い方が変わってきて立ち直っていったということが分かるのです。立ち直ったのがはっきり分かってから、以前に会ってから三年後に、「すまないが会いたい」と言って、「実は、あなたのことではなく、私のことで会いたい。カウンセリングを受けるのをやめてから、あなたがどう立ち直っていったのかを知りたい。それを知ることは私がこれからカウンセラーとして仕事をしていくのに非常に役に立つから話してほしい」と言いますと、いろいろ話してくれました。(203ページ)
この先の記述に興味がわきますね。
どのような専門家であっても、オールマイティーの人はいないと思います。優れたコーチだと評価される人も、あらゆる人に万能なコーチングを展開できるわけではありません。
さて、河合さんはこのケースで何を私たちに告げたくなったのでしょうか?
これはクライアントのためでなく、私のために会っているわけです。私のためだから言ってくれと言っても、もっと以前だったら言ってくれなかったでしょうが、三年待ったから言ってくれたのです。この人の話は非常に役に立ちました。この場合も、三年待った息の長さといいますか、そのようなことがカウンセラーに絶対必要です。人間というのは、なかなか変わりませんので相当な長さが必要と思います。私は、そのクライアントにずいぶん教えられました。そんなこともありますので、皆さんも中断した人があれば何かよい機会があれば聞いてみられればよいと思います。ただし、これは下手に聞くと押しつけがましくなるので全然意味がありません。(204ページ)
押しつけがましくない聞き方をマスターすることが前提条件のようですね。
河合さんは「待つ」ということを極めた人だと思います。折に触れ「待つ」ことの意義を語られます。
さて、コーチングの場合は、カウンセリングと異なりますので「中断」の状況は、カウンセリングほど、シビアでないことが想定されます。だからこそ、「縁」が生じたクライアントとの関係ですから、コーチング契約を離れて「コーチではないスタンスで交流を持ち続けませんか」と、提案されてもよいのではないでしょうか?
もしコーチのあなたが、「この人とは一人の人間として付き合ってみたい」と感じたならば、素直にそう言葉にされても、決して不自然ではないと思います。そこから、また新たな関係が生まれるかもしれませんから。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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