「矛盾の統合」に向かって思索を深めていくのがエグゼクティブコーチング!

<心理療法コレクションⅢ>生と死の接点』の「古人の知恵」は、『論語』に続いて、ヒンドゥーの『四住期』を取り上げます。まずは、河合さんが学生期、家住期、林住期、遁世期の4つの期間の内容を説明する、最初の箇所のみを引用します。(27ページ~)

学生期
師(グル)に対する絶対的な服従と忠誠が要請される。この時期には、師の言うことにひたすら耳を傾け、心を込めて学ぶことが必要である。

家住期
学生期から何らの移行的期間もなく、急に結婚させられ、家庭生活をなさねばならない。親の選択に従って妻帯し、職業について生計を営まねばならない。

この2つの期間について「この家住期までが、まさに人生の前半であるということができるし、現代であれば、これでライフサイクルは終わりとさえ言えるのであるが、ヒンドゥーの場合、これに重要な後半の二つの段階が加わるのである」と、河合さんは補足します。

林住期
家長は結婚生活で得た多くのもの、財産や家族などすべてを棄て、社会的義務も棄て、人里離れたところで暮らす。それは、「名づけることのできぬ本質へ到達しようとする努力」であり、「真の自己(self)を求める道にはいるため」なのである。

遁世期
この世への一切の執着を棄て去って、家もなく財産もなく、乞食となって巡礼して歩く生活となる。いかなる土地とも、いかなる仕事とも結びつくことなく、「未来について何ら考えることなく、現在に対しても無関心」となり、家の無い放浪者は「永遠の自己との同一化に生き、その他の何ものにも関心を持たぬ」生活をすることになる。

さて、この考えを現代に実践として適用するには、あまりにも無理があるので、いつ頃書かれたものなのか、チャットGPTに質問したところ、「この概念はヒンドゥー教の聖典であるヴェーダに基づいていますが、ヴェーダの成立時期は正確には分かっていません。一般的には紀元前1500年から紀元前500年の間に書かれたと考えられています」という回答でした。
河合さんは何を語るのか?… 引用を続けます。

インドの四住期説に見られるライフサイクルの考えは、われわれにとっても共感を呼ぶものではあるが、さりとて、われわれがこれを実際に行おうとしても、ほとんど不可能であることも事実である。しかし、考えてみると、孔子の説に対しても似たようなことを述べたが、この四住期的生き方こそ、人間の「自然」に根ざしているとも言えるのである。われわれ現代人の方が、はるかに無理をして生きているのではなかろうか。無理をして生きた分だけ、われわれは老いることや死ぬことにも、相当な無理を強いられているのであろう。さりとて、インドの四住期説がすばらしいからと言って、現在のインドに行き、その実体を見て、この国を幸福と感じる人も少ないのではなかろうか。ここに、現代に生きるわれわれにとってのジレンマが存在していると思われる。(30ページ)

みなさんは、河合さんが最後のどのような語りで収めるのか、いろいろ想像されたと思います。ここで河合さんは「四住期」から、何からの「処方箋」を提示しようとするのではなく、葛藤、ジレンマを語っているだけです。
だからこそ、エグゼクティブコーチングそのものだと思うのですね。クライアントである経営層にとっての日常は、葛藤の連続であり、ジレンマそのものです。そのクライアントをコーチは受容し、伴走します。「処方箋」を与えるどころか、「共に悩む」ことがエグゼクティブコーチングそのものである、といえるのかもしれません。
このような対話を重ねるなかで、クライアント自らが、「矛盾の統合」に向かって深めていく過程こそが、エグゼクティブコーチングの本質なのです。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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