CBLコーチング情報局は、コーチングの本質を「受容と共感」と捉えます。このことを繰り返し語ってきました。さて、「理論としての“受容”の重要性は理解できている。でもクライアントの話を真剣に聞いているのだが、どうしても受容しがたい…」と感じることはありませんか?
河合隼雄さんは「この感じ」を、『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』で、受容の意味をはき違えている人のことを「受けいれ」とは異なる、「受けだし」という言葉で面白く解説してくれます。
入れ物としてのカウンセラー自身の自我を放っておいて、ただ受けいれさえすればよいと考えている人は、まるで、入れ物の大きさを知らずに、口さえあけていれば何でも入ってきていいと思っている人です。そういうのは、受けいれというよりは受け出しといった方がいいようで、それはほとんど効果がないわけです。(112ページ)
河合さんは「入れ物の大きさ」という言葉で、その人の「器」を語ります。特に、経営層をクライアントとするエグゼクティブコーチングは、コーチとクライアントの「器の勝負」と言ってもよいでしょう。
河合さんは、その器を大きくするための方法を伝授します。コーチングの勉強についても全く同様です。
…ここでやはりわれわれとしては、クライアントのことを聴くだけでなくて、理解するための自分の自我を強めること、あるいは理論を深く知ることは、絶対に必要だと思います。だから、カウンセリングを勉強する人は、一生けんめいになって相手の話を聴こうというだけではだめで、聴こうというところから入って、次に、人間を理解するための理論、あるいは、人間を理解するための知識を増やす努力もしなければなりません。このような努力をはらっていない人は、下手をすると熱意のからまわりになる。というのは、相手の言うことを一生けんめい聴いてあげようとしても、心の中で馬鹿なこと言う人だなとか、これはおかしいと思ったりする。そう思ってはいけないと思うと、結局はそのための努力にエネルギーを使いすぎてしまっている。そうして、本当の意味で受容することができなくなるという熱意のからまわりをやってしまうのです。(113ページ)
「努力することは大切である」…このことについて否定する人はいないでしょう。ただし、その努力の注ぐ対象、内容を間違ってしまうと「熱意はからまわり」してしまうのです。
河合さんは、一つのヒントを与えてくれます。それは「理解を先にのばす」ということ。「ふつうの人は、理解を先にのばすことができなくて早いこと決着をつけようとしすぎるわけです」と、努力の方法がイメージされてきます。
今回は「本当の受容は実に大変なこと」を語ってみました。「受容」を理解することは、つまりは「器」が問われます。したがって、「コーチは自分という人間を磨き続けなければならない」…今回のキーワードの〆の言葉としたいと思います。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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