ドラッカーはコミュニケーションの本質を4つの原理で説明している

書店を訪れ経営のコーナーに立ち寄ると、ピーター・ドラッカーに関する本がずらりと並んでいるのを目にします。『マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則-(ダイヤモンド社)』をはじめ、その著作は数多く、ダイヤモンド社発行のものだけで400万部以上の売上を誇る人気です。
ピーター・ドラッカー Wikipedia

ドラッカーの著作は大きく「組織のマネジメント」系と「社会や政治など」に関するものに分けられます。ドラッカーは「人を幸福にすること」をテーマに、そのことを主として「組織・社会のなかの人間」という視点で研究することを選択しています。

『マネジメント』の中でドラッカーは、コミュニケーションには4つの原理があり、その内容を紐解いています。

1.コミュニケーションは知覚である

知覚の一般的説明に「自覚的な体験として再構成する処理である」とあるように、知覚はそれぞれの人が有する個性によって“解釈”されることになります。

2.コミュニケーションは期待である

「人の心は、期待していないものを知覚することに対して抵抗し、期待できないものを知覚できないことに対しても抵抗する」とドラッカーは語っています。

3.コミュニケーションは要求である

「コミュニケーションは、受け手の価値観、欲求、目的に合致するとき強力になる」と語ります。

4.コミュニケーションは情報ではない

テキストや言葉そのものの意味(文脈やコンテクスト、行間の解釈を伴わない…)を伝えるだけでは、コミュニケーションは不完全である、とドラッカーは言うのです。

ドラッカーはコミュニケーションを冷徹な視点で捉えます。「人は見たいものだけを見て聞きたいものだけを聞く」のが現実です。このことをコーチはしっかり受けとめ、クライアントに接していく必要があることを、ドラッカーの語りは物語っていると言えそうです。


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