心理学で「認知的不協和」というキーワードがあります。
認知的不協和とは、心の中で信じることと、経験や現実に見ることが一致しないことを指します。何かを真実だと信じ込めば込むほど、たとえそれが間違っているという明白な証拠が目の前にあっても、“真の真実”を拒否するようになるのです。
自己概念と経験がズレてしまうと、人は意識無意識を問わず、それを補うべくさまざまな心理的対応を試みます。そのことを俯瞰する際に、認知的不協和の視点が役に立ちます。
認知的不協和が自分自身に対して向かえば、成功する人にとってプラスに働く場合もあります。何かを真実だと強く信じれば信じるほど、それが、間違った選択だと感じさせる要因が生じたとしても、「それは真実ではない!」と思い込むことができ、周りが「やめておけばいいのに…」と、確信をもって眺めていても、屈することなく突き進み、驚くべき成功を勝ち取ってしまうこともあります。
ただしこのことを、多くの人に適用するには“法則”として無理がありそうですね。
成功してきた人の最大の過ちは、「このように行動してきて、結果を出した。したがって、このように行動すれば私は結果を達成するに違いない」と想定してしまうことです。
「他者の話を聞きすぎてしまうと、自分の創造的なエネルギーが失われてしまうのではないか…」と心配になります。気づくことなく選択している行動と、成功を一緒にして関連付けてしまうことがあるので、注意が必要です。
自分が行動を変えるということを含めて、人が何かの行動を起こすのは、クールな見方をとれば、自分の価値尺度から見て、自分の得になると考えるときだけだ、とも言われています。お金、権力、地位、人気などです。
この視点は、「自分が価値を置くものが脅かされてはじめて人は変わろうとするのだ」という解釈が成り立ちそうです。
損得が意識に浮上し、それが自分の行動を司る司令官のようになってしまうと、その人を思わぬ落とし穴に誘ってしまうこともあります。
組織において評価されることは、目に見える結果がもたらされるだろうアクションをとった場合が一般的です。このことは反面、顕在化していない悪しき取引などを、“そのとき”断ち切るなどの“勇気ある”行動は、評価されることがめったにない、ということです。
現状の悪しき取引となっている行為の発端は、認知的不協和のまま、それを取り繕い続け、その真実に気づかないよう、組織全体の空気が形成されてしまったから… なのかもしれません。
「悪しき取引を回避する」ことは、派手な案件を成約させることよりも、信用が形成され、蓄積されていくことで、その企業を社会に評価される偉大な企業として存続させていくことにつながります。
「勇気をもって何もしない」という選択も、重大な意思決定となりうるのです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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