
(中沢)
けれども、今の大脳生理学の研究などを見ますと、大脳の構造自体、多次元を見るようにつくられてしまっているということでしょ。
(河合)
そうなんです。
(中沢)
ですから、いかにそれを見ないように、抑えるかという機構を発達させているだけで……。
(河合)
僕もそう思いますね。情報はいっぱい入っているんだけど、そのなかでものすごく限定された情報だけに頼って生きている。その情報の限定の仕方に一種のカルチャー・パターンみたいなものがあって、現代人は現代のそれでやっているわけですね。
「ほう、面白いですね。やはり南方熊楠のように、われわれが普通見ているリアリティとは次元の違うリアリティが見えやすい人というのはいると思いますね。それがちょっと失敗して次元の混同を起こすと、病気になるんですけど。」という河合さんの言葉(前回の最後に紹介しています)に続く、中沢さんのコメントから引用してみました。
『ブッダの夢』第6章「汎神論風夢理論のこね方」の、11番目の見出し「南方熊楠・多次元の脳と夢」にある対話です。
「虫の知らせ」という言葉が会話に登場すると、「ある、ある!」と口にし、大いに盛り上がる語り合いになったことを、多くの日本人が経験していると思います。筆者は、特に感受性が強いタイプだとは認識していないのですが、それでも「何回か」それらしき経験をしています。
「虫の知らせ」「四次元」「脳科学」「量子力学」といったキーワードを使って、生成AIに質問すると、ワクワクするような回答が返ってきました(ただし、生成AI特有の慎重な言い回しで…)。南方熊楠が体験したよう現象は、やがて科学的に説明できる日がくるのかもしれませんね。
「天動説」を当たり前のこととして、何の疑いもなく信じ切っていた世界が、「地動説」が科学的に証明されるに至って、コペルニクス的転回が起こったわけです。
筆者が中世の「天動説」の時代に生きていたとして、「この地べたが動いている」ということは体感できないわけですから、「真実が別にある」ことについて、絶対的に思い至らなかったと確信します。
「人は聞きたいことだけを聞き、見たいものだけを見る」ことを、このコーチング大百科で、繰り返し語ってきました。ここでの河合さんと中沢さんは、脳科学的知見で、そのことを説明してくれているようです。対話の続きを引用します。
(中沢)
なんだかんだ言っても、僕は大脳というのはダーウィ二ズム的につくられてきたと思うんです。もともとは熱帯ジャングルみたいにつくられていたのを取捨選択して、あるニューロンだけを選ぶというふうにしてしまったわけですね。
(河合)
そうなんです。けれども逆に言えば、使っていないところはたくさんあるんだから、もっとも使った方が面白いだろうと思うんです。これからは森の時代ですしね(笑)。
(中沢)
ダーウィ二ズムの時代はもう終わりだと。
(河合)
ただ、そこをうまくやらないと、ひとつのチャンネルに二つ一緒にパッと入ってきたりしますから、ものすごく難しいですね。
この「森の時代」は何を意味するのか…生成AI(Copilot)の回答を引用します。
(Copilotの回答)
河合隼雄さんが心理学や文化論の文脈で述べる「森」は、広い意味で自然や共生を象徴するもの。私たちが無意識の領域や心の豊かさを再発見し、現代の「大脳的」な選択と合理性だけでなく、より多次元的で柔軟な視点を持つことが求められているというメッセージでもあります。これが「森の時代」が目指している本質だと言えるでしょう。
3~4年前には、まったく想像できなかった「生成AIの知能」は、異常なスピードで進化を遂げています。コペルニクス的転回は、あらゆるところで起こっている。だからこそ河合さんのメッセージである「森の時代」をしっかりと受けとめ、この「コーチング大百科」を書き続けていこうと思います。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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