
(中沢)
最初に話したマレイ半島のセノイ族の夢技法というのも、考えてみたら土器つくりみたいなものではないかなという気がするんです。
(河合)
セノイ族のことなんか、ユング派の人は知らなかったと思うんですよ。けれども、僕なんか夢を報告すると、もっとそれをよく見なさいとよく言われましたよ。あのときヘンな感じがしたんですよね。僕なんか夢のことなんか知らないし、それこそ初めのうちは、科学主義の最たるもので、もう数学やっていた人間ですから。ところが分析家が、それは惜しいことをした、今度はもっと夢を続けてみなさいとか言うでしょ。何言ってるんだ、こいつとか思うけれども、やはりだんだんそうなっていくんですよね。
前回の解説の最後で、「河合さんは、スイスのユング研究所に留学するまでは、『夢』に対して特に関心はなかったようです。西洋科学を信奉していた河合さんは、京都大学理学部数学科で学んでいます」、とコメントしています。
この「理系バリバリ」で「ユダヤ人的(科学第一主義)」だった河合さんは、スイスのユング研究所に留学(30代半ば)し、夢分析を受けているうちに、どんどん変わっていくのですね。引用した河合さんの言葉から、そのあたりのことが伝わってきます。
『ブッダの夢』、第6章「汎神論風夢理論のこね方」の7番目の見出し「パイをこねるような夢の作業」の中の対話です。「最初に話したマレイ半島の…」は、この章の最初の見出し「マラヤの夢理論」で、夢をコントロールするセノイ族を、中沢さんが紹介しているからです。「そんなことできるの…?」というのが筆者の率直な感想だったので、あえてスルーしたのですが、「ひょっとしてありえるのかも…」と、思い直して、引用することにします。
朝起きて、お父さんが子供にどういう夢を見たか聞くわけですね。そして「落っこちていく夢を見た」とか言うと、「今度、同じ夢を見たら、もっと落っこちていけ」と教えたりします。そうやって夢内容をコントロールしていこうとするわけです。あれはなかなか素晴らしいですよね。そして子供はそのとおりやっていこうとする。
筆者は、怪獣とか魔物とかに追われ、ビルとビルの隙間に隠れたり、とにかく逃げまくる夢をよく見ます。あわや…という瞬間に目が覚め、心臓の鼓動MAXを実感し、「夢でよかった~!」と、心底安堵するというのがパターンです。セノイ族のお父さんは違っているようで、「今度、同じ夢を見たら、逃げないで立ち向かいなさい。戦うのです!」と、子供に告げるわけです。
「夢をコントロールすることなんかできないよ…」というのが、多くの人の受けとめ方だと思いますが、「実際に戦って勝利する」という流れの夢となることもあるようです。そうやって、子供は現実世界でも自信をつけていく… つまり、夢を受動的に捉えるのではなく、「意識を強化する」ことで、「夢の世界」のストーリーも創造する(変える?)ことができるという「夢技法」をセノイ族はつくり上げている、ということですね。
ユングはセノイ族のことまで調べていなかったようですが、河合さんはユングとセノイ族の「夢技法」のつながりを語ります。私たちは実際に関係している人との間については、「つながり」を感じることができるでしょう。ただ、河合さんは、そうではない人とも「つながっているんですよ…」と、言っているのかもしれません。筆者はそのように受けとめています。
ユングがやはり同じようなことを言っています。たとえば夢で一軒家にいて窓が開いた。で、わーっ、怖いと思って目が覚めた。するとユングは、そんなに怖がらずに、窓が開いたんだったら今度は見てきなさいと言うわけです。そういうふうに言うとだんだん続いてくるんですよね。それはやはりセノイ族と一緒でしょ。もちろんユングはその頃全くセノイ族のことを知らなかったと思うんですけど、同じ発想できたわけですよ。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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