リーダーシップ理論で「行動論」に続いて生まれてきた理論体系が「条件適合理論」です。「行動論」は高く評価されている理論です。ただし、リーダーシップを発揮するところの“場”について触れていません。この点に着目し、業績を上げるリーダーシップと組織状況の関係について解明を目指したアプローチが、「コンティンジェンシー理論」です。心理学者のフィードラーが提唱しました。
大企業、中小企業、そしてオーナーの性格… 集団、組織の態様はさまざまです。組織の置かれている状況によって、リーダーシップスタイルは異なるのでは? というのが経験的にも類推されます。フィードラーは、その態様に関する変数を3つの視点でアプローチしています。
- リーダーが組織の他のメンバーに受け入れられている度合
その組織でメンバーに支持されているか、支持されていないか(高・中・低) - 仕事・課題の明確さ
業務目標、手順、成果が明確で、構造化されているか、いないか(高・中・低) - リーダーが部下をコントロールする権限の強さ
メンバーの採用・評価・昇進・昇給に関する影響力はどうか(高・中・低)
3つの視点に、それぞれ(高・中・低)3つの環境、つまり、「恵まれている」「普通」「よくない」組織状況に対して、どのようなリーダーシップのスタイルが、組織のパフォーマンス向上に資するのか… そのスタイルを、LPC(Least Preferred Coworker)という指標で、設定を試みています。
LPCの直訳は「最悪の同僚」です。「最も望ましくない仕事相手」という対象をイメージしてもらい、その対象の捉え方でリーダーのスタイルを描きました。
対象を仕事以外でもネガティブというか、厳しく評価するタイプのリーダーを「低LPC(課題動機型)」と設定します。
他方仕事上ではそのように感じていても、仕事を離れればそれほど低く評価しないタイプを「高LPC(関係動機型)」とします。
3つの視点の組織状況、それぞれについて(高・中・低)に対して、LPCの2タイプが、どう組合されれば、「組織業績」が向上したのか、という調査です。組み合わせは少し複雑ですが、結果をシンプルに表すと…
「恵まれた」職場環境 →「課題動機型(低LPC)」
「普通」の職場環境 →「関係動機型(高LPC)」
「よくない」職場環境 →「課題動機型(低LPC)」
「恵まれた」環境というのは、 部下が前向きでリーダーも受け入れられている環境ですから、関係動機型の「高LPC」のリーダーシップによって組織全体も活性化するような気もします。ところが逆の「低LPC」という結果でした。
この結果については、フィードラーも「謎」を感じたようで、 最初の論文発表後も追加でさまざまな調査を行っています。ただし「謎」の解明を“理論的に”説明できるまでには至っていません。この「謎」に多くの研究者が刺激を受けて、リーダーシップ研究が一気に広がっていくのです。
コンティンジェンシー理論が「画期的である」と評価されたのは、
「組織の置かれている状況により、効果を上げるリーダーシップスタイルは異なる」
「唯一最善のリーダーシップスタイルというものは存在しない!」
という「条件適合理論」が体系化されていく、その帳を開いたことに意義が見出せるのです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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