
(河合)
ところがアメリカの最近の研究では、薬で治った人は再発率が高い。それで薬と心理療法を併用した人は再発率が少ないことがわかってきました。この頃、治療もまた変わってきたんです。薬があまりに効いたから心理療法は必要ないと言われた時期もありましたが。
(中沢)
劇的に変わりますからね。
(河合)
ぱっと薬に振れたのに、こんど薬で治った人は再発するということがわかってきた。
前回の最後で…「河合さんは臨床心理学者(心理療法家)ですから医者ではありません。したがって、医者には認められている薬物治療はできないのですね。対話のみのカウンセリングと、精神科医が施す薬物治療の違いをお二人が語ります。次回は、そのあたりについて紹介することにしましょう。」…と予告しています。
引用は、精神的な病に陥った人への治療の流れが語られるところです。この対談(『仏教が好き!』の最終章)は2003年ですから、現在はどのような状況であるのか、生成AI(Copilot)に質問してみました。回答の始まりは……
2025年現在、精神疾患の治療は「薬物療法+心理療法+社会的支援」を組み合わせる多面的アプローチが主流となっています。薬だけに依存する時代は終わり、再発予防や生活の質の改善には心理療法や環境調整が不可欠とされています。
20世紀末~21世紀初頭の「薬物療法+心理療法」に、さらに「社会的支援」が加わったことが、この四半世紀の推移として理解されます。納得です。このあと生成AIは、「薬物療法」「心理療法」を詳述します。そして「2003年からの変化」「最新の研究動向」を紹介し、まとめてくれました。
まとめ
薬物療法は「症状を抑える」
心理療法は「再発予防と根本的な改善」
環境調整は「生活全体の安定」
つまり、2025年の精神医療は「薬だけでは治らない」という認識が定着し、包括的で持続可能な治療モデルへと進化しています。
筆者が強調したいところを太字にしています。ここから少し考えてみました。
大学の学部序列といいますか、偏差値難易度のトップは「医学部」です。このヒエラルキーは、一昔に比べて緩和しているように感じるものの、「医学部」、つまり医学界の番人たる「医者」という職業は、知性の象徴として「先生」の代表格だと感じます。冒頭の引用の続きです。
(中沢)
僕が聞いた話では、アメリカの心理学は、もうフロイトもラカンも要らない、大脳生理学と脳科学と製薬会社で、すべての問題は二十一世紀には解消できるというのが主流だと言って……。
(河合)
ある程度主流です。たしかにわかりやすいから。ところが実際問題としては心理的なことをやらないと再発する。心理的なことをやったら再発率は少ないという研究が出てきているんです。いまはだいたい併用しているのが多いと思います。
河合さんのこの言葉は「謙虚だなあ」と感じさせられます。
京都大学の数学科で学び、数学者としての道を歩み始めた河合さんですが、30代になって臨床心理学に興味を覚え、1959年にフルブライト奨学生としてアメリカに留学します。その頃のアメリカは、中沢さんが指摘するように、「大脳生理学+脳科学+製薬会社」のトランアングルが絶大なパワーとなっていく時代です。それが「心理療法不要論」までをも産んでしまう。
河合さんはバリバリの理科系でしたが、理系的物質偏重に疑問を持つのです。河合さんの「異質の調和」は、今日に至る流れと共鳴しています。
世紀のまたぐタイミングに登場した「コーチング」は、フロイト、アドラー、ユングによって始まった「心理学」という新しい学問が成熟していく100年の歴史を背負っています。筆者は「コーチング」を、現代が求める「リベラルアーツ」であると強く感じています。これからも「リベラルアーツとしてのコーチング」を、コツコツ綴ってまいりますので。
コーチング情報局を運営する株式会社コーチビジネス研究所では、企業を対象としたコーチング研修、ビジネスパーソンを対象としたビジネスコーチング、個人の方を対象としたライフコーチングを提供しております。その他、コーチングを学びたい方のためのコーチングスクールの運営、経営者やビジネスリーダー向けにセミナーを開催しています。興味や関心がございましたら、お気軽にご相談・お問い合わせください。
This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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