「中断」によって契約が解かれる…それが「継続」となったケースとは?

コーチングは、クライアントとコーチの間で契約を交わし、合意が形成され、セッションが開始されます。期間は様々ですが、それでも途中で中断せざるを得ない状況も発生します。今回のキーワード解説は、『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』の第6章にある「中断」を取り上げ、コーチングに敷衍してみたいと思います。
河合隼雄さんは「カウンセラーになる人は反省過剰の人が多い」、と語ります。

「ともかく私が悪いのです」と言えば、これはたしかにその通りですから、「私の力量が及ばなかったからでした」とか、あるいは、あのカウンセリングがうまくいかなかったのも「私の受容の仕方が足らなかったのです」とか、どんなことをやっても反省することができます。これは奥ゆかしく聞こえますが不思議なことに、反省している人が別にそれから以後努力をはらっていない、まるで反省することで問題が片づいたと思っているのではないかと言いたくなるような人さえいる。(194ページ)

「反省の言葉」を述べることで、その時点で「帳消しにしたい」という心理が働いているのかもしれませんね。河合さんの指摘は、カウンセリングに限らず、多くの人が「スミマセン」と挨拶のごとく口にする、日本人的「間合いの取り方」について、一考するきっかけを与えてくれます。

「私は至らない人間である」とか、あるいは、「私がもっと力があればよかったのに」と言いながら、相変わらずあまり勉強せずにカウンセリングを続けている人は、反省過剰な外見のもとに、努力をせずにカウンセラーを続ける傲慢さが内在しているのではないでしょうか。(195ページ)

カウンセリングは、精神的な重い悩みを抱えているクライアントが多く、「治っていく感じ」がつかめないクライアントは、来なくなったりして「中断」することがあります。その点、コーチングにおいて「中断」は少ないでしょう。それでも「中断」は起こります。
河合さんは、次のように語りを進めます。

われわれは反省するときに、事実を探求することを忘れてはならないと思います。事実を探求して、それにもとづいて、次にはこうできるのだということに具体的に結びつくような反省をしなければ意味はありません。(195ページ)

コーチングの場合、“大人”であるAクライアントが、「〇〇コーチ、多忙極まりない状況となってしまいました。とても残念ですが、コーチングセッションを中断せざるをえません」などの理由で、「申し訳なさそうに」中断を申し出るケースがあるでしょう。
さて、ここからが「次に結びつくような具体的な反省」ができるか否か、となります。

「了解しました。とても残念ですが、今回のセッションで一旦コーチング契約を解くことにしましょう。その上で、私の最後のお願いを聴いていただけますでしょうか」

「私はプロコーチとして成長し続けたいと思います。Aさんは、多忙を理由とされました。ただ、もし私とのコーチングを、深く受けとめてくださっていれば、それでもセッションを続けようとされるのではないか、と感じています。ですから、“本当の理由”を教えていただけないでしょうか。私にとって、つらいご指摘もしっかり受けとめようと思います」

このような言葉を真剣に投げかけてみることで、Aクライアントが「本音」を開示してくれるかもしれませんね。そこから「本格的なコーチング」が始まり、契約を継続することになるのも、またコーチングの世界ですから。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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