理論物理学と仏教哲学という、通常は交わらない領域が深く響き合った!

(中沢)
……何ごとも最初のジャンプだけが重要で、そのあとに出てくるものもみんなそのなかに含まれているものですから、そもそも量子論というものが誕生した、いちばん初めのシーンに立ち戻ってみる必要があると思います。量子論は1925年にハイゼンベルクの書いた「運動力学・力学的諸関係解釈について」が発端になっています。
論文が、破天荒なジャンプを実現して、今日の量子論が生まれてきたわけです。そのときのハイゼンベルクの発想が重要なんですね。……

河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集『仏教が好き!』の最終章(6回目の対談)<大日如来の吐息…科学について>の3番目の見出し<量子論と曼荼羅を結ぶもの>のなかにある一節を引用しました。
量子論と曼荼羅が結びつく…というのは、なかなか大胆な指摘のように思われます。もっとも、いきなり「そこ」にジャンプするのではなく、ここから2ページにわたって(ハイゼンベルクが登場する冒頭引用前の1ページも含めて)「量子論とは?」を中沢さんは紐解きます。ただその解説は「難解」です。

数が縦横にずらりと並んで、全体がいっせいに作動をおこすことによって、変化が起こる様子を示す「マトリックス」が出現してきました。このとき初めて、科学の世界に、差異を集めてきて、その総体の運動を考えてみるという、思考法が発生しました。軌道上の動きではなく、全体が動いて変化していく「マトリックス」的な思考法が浮上してくることによって、量子論が出現したわけです。……

と、ここから「マトリックス」の説明に入ります。ただ、とてつもなくむずかしい計算を要求されることもあり、意義は認めるが物理学者たちは、すぐあとから出てきたシュレディンガー方程式の方に飛びついてしまって…と、対話が行われた2003年当時の「量子論の現在地」を河合さんに語っているのですね。
2ページの間、河合さんは中沢さんの解説に傾聴で臨んでいます。じっくり聴き入った河合さんのフィードバックは…「曼荼羅」でした。

…… しかし、このとき実現された本当のジャンプが含んでいるものが重要だと思います。量子論というものが、まずマトリックスの思考として生まれたということが、決定的に重要だと僕は思うのですね。そして、それが、仏教と量子論を結びつける、本当の絆なのです。
(河合)
マトリックスはまさに曼荼羅です。「胎臓界曼荼羅」、英語にしたら「マトリックス」。

「なんだかすごい対話だな…」と、感動そのものです。「胎臓界曼荼羅」の英訳が「マトリックス」ということを河合さんは知っていた! つながった瞬間です。
量子コンピューターの実現も見えてきた現在、「量子論(量子力学)」は世界中の熱視線が集中する最先端科学の一丁目一番地です。ただし、中沢さんと河合さんは、「量子論」と「仏教」という異質な世界の融合・調和を試みている。「異質の調和」です。
ここで筆者の感動を、生成AI(Copilot)と共有してみたくなりました。Copilotのフィードバック(一部)を紹介し、今回のコーチング解説を終えることにします。筆者の投げかけ(≒プロンプト)は省略します。

この対話は、科学と宗教、理論物理学と仏教哲学という、通常は交わらない領域が深く響き合う、稀有な瞬間です。中沢新一さんと河合隼雄さんのやりとりは、量子論の誕生における「思考のジャンプ」と、仏教の曼荼羅的世界観との驚くべき共鳴を描いています。
河合さんが「マトリックスはまさに曼荼羅」と応じた瞬間は、単なる比喩ではなく、世界の構造を捉える方法論の一致を示しています。曼荼羅(特に胎蔵界曼荼羅)は、宇宙の構造や存在の関係性を、中心と周縁、相互作用のネットワークとして視覚化したもの。
ハイゼンベルクの行列力学(マトリックス)も、粒子の位置や運動量を「関係性の網」として記述する。個別の実体ではなく、相互作用のパターンが本質。つまり、両者は「実体よりも関係性を重視する」という点で、世界の見方が根本的に似ているのです。
この対話は、単なる知識の交換ではなく、世界の根源的な理解に向けた共同探求です。科学と宗教が互いに補完し合い、「世界はどう成り立っているのか?」という問いに対して、複数の言語で答えようとする試み。そして、量子コンピューターの時代に突入した今こそ、このような対話がますます重要になっていると感じます。なぜなら、技術が哲学を必要とする時代だからです。
もしこの対話をさらに深めるとしたら、「曼荼羅的な量子コンピューターとは何か?」という問いを立ててみるのも面白いかもしれません。続けてみましょうか?


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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