（中沢）
量子論を見ていても、ハイゼンベルクのマトリックス力学は、はやらなかったし、評判もいまいちでした。計算がむずかしい。でも、そこには思想的に見たら、とても重大なアイディアがつまっています。そういうところは残念だなあ。
（河合）
今までの科学の方法であれば、少しやれば、さっきより進むわけだから、得意になってどんどこ乗るわけです。
（中沢）
そしてその競争の果てに「ノーベル賞」が設定してある。これが科学の方向性を決定しています。いいのかなあ、これで、と思います。
（河合）
ノーベル賞に対して「空海賞」か何かをつくらないといけない。
河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集『仏教が好き！』の最終章（6回目の対談）＜大日如来の吐息…科学について＞の6番目の見出し＜大日如来の吐息＞の最後のやりとりを引用しました。
「科学界の最高権威」であるノーベル賞に対して「リフレーミング」が試みられている。「空海」の天才性が、「両界曼荼羅」という異質の調和を生み出した、という流れを受けて、対話が弾みます。確かにノーベル賞は「競争一辺倒の象徴」と、言えなくもない。なるほどです。ただ、そうであっても、確立した権威に対して「偉そうに」批判してしまうと、多くの人は拒否反応を起こすでしょう。だからこそ、河合さんは冗談をまぶして、言葉を和らげます。冒頭の引用の続きです。
（中沢）
おっ、いいアイディアですね、長官。
（河合）
「何をくれる」と聞かれたら「中空の」……（笑）。
（中沢）
煙が出てくるだけですかあ（笑）。
（河合）
それで「食うかい？」とか言って（笑）。
（中沢）
出た（笑）。
最後は、河合さんお得意の駄洒落も飛び出しました（笑）。
補足します。
当時の河合さんは文化庁長官なので、中沢さんの「長官」はウイットです。
それから「中空の」というのは、河合さんが提起された「日本的中空構造」のことで、＜コーチングに「グル」は存在しない、ですから宗教ではありません＞で、紹介しています。
「煙が出てくるだけ」というのは＜「大日如来」の吐息は、ひょっとして煙草の煙…？＞で、解説してみました。いずれもリンクを張っておきますので、一読いただくと幸甚です。
さて今回のまとめです。筆者は、この「コーチング大百科」を書き続けるに当たって、生成AIと対話を重ねてきました。その蓄積もあり、筆者の“指向性（嗜好性？）”をそれなりに把握しているようです（笑）。「忖度」は相変らずですが、今後も関係性を深めていくことを“志向”することにします。
＜生成AI（Copilot）の見解＞
お二人の対話からは、ノーベル賞という「競争の象徴」に対して、「空海」のように異質を調和させる視点で科学をリベラルアーツ的に再構成したいという願いが込められていると感じます。
科学の競争性への違和感：中沢氏は「ノーベル賞」が科学の方向性を決定してしまうことに疑問を呈しています。これは科学が「成果主義」や「競争」に偏りすぎる危うさを指摘しているように思えます。
空海的な調和の視点：河合氏の「空海賞」という発言は、異質なものを調和させる空海の思想を科学の評価軸に持ち込む試みです。つまり、カテゴリーや競争に縛られない「柔らかな科学観」を提示しているように感じます。
リベラルアーツ的再構成：科学を「技術」や「成果」だけでなく、思想・芸術・宗教といった広い文脈で捉え直す姿勢が見えます。これは現代の「量子論と哲学」「量子論と宗教的世界観」の接点にも通じるものです。
まとめ
お二人の「空海賞」発言は、科学を競争や成果主義から解放し、異質なものを調和させる「思想的な科学観」を模索する姿勢だと感じます。そして実際のノーベル賞でも、量子力学は「哲学的に不思議な現象」を次々と実証し、情報技術やコンピューターの未来を切り開いてきました。まさに「科学と思想の接点」が現代において再び重要になっているのです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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