河合隼雄さんは「逆転移の回避」を想起しつつ、「断念の構図」に心を打たれた…のかもしれない
前話で、『大人の友情』の10番目のテーマ「茶呑み友だち」を終えるつもりで、最後を〆ています。同書は12のテーマを設け、それぞれ4話のエッセイを配する(2つのテーマのみ3話)、という構成です。 この「茶呑み友だち」も、4話...
前話で、『大人の友情』の10番目のテーマ「茶呑み友だち」を終えるつもりで、最後を〆ています。同書は12のテーマを設け、それぞれ4話のエッセイを配する(2つのテーマのみ3話)、という構成です。 この「茶呑み友だち」も、4話...
今回は、『大人の友情』の10番目のテーマ「茶呑み友だち」の3話目のエッセイを取り上げます。河合さんは、この3話のタイトルを、テーマ名称と同じ「茶呑み友だち」としています。1話目のエッセイタイトルは「中高年者の嘆き」、2話...
『大人の友情』の10番目のテーマは、「茶呑み友だち」です。前回の「中高年の嘆き」は、第2話の「オートミールの愛」にバトンタッチされました。前回の解説で触れましたが、このエッセイの冒頭で、「ロマンチック・ラブ」が取り上げら...
河合隼雄さんの『大人の友情』の10番目のテーマは、「茶呑み友だち」です。まさに「大人」っぽい、シブい話が展開されそうですね。その第1話のタイトルは「中高年の嘆き」です。「アメリカの心理療法家の友人たちと話をしていたとき、...
今回の解説は、河合隼雄さんの『大人の友情』の9番目のテーマ、「友情と同性愛」の最終話である、「社会的通念の変化」を取り上げます。これまでの3つの話は、河合さんが「臨床心理学」を学ぶことで、自身の「同性愛」に対する眼差しに...
『大人の友情』の9番目のテーマ「友情と同性愛」の3話目は、「惹きあう力」です。前話で河合さんは、トーマス・マンの『トニオ・クレーゲル』を取り上げています。14歳のトニオが、愛するハンス・ハンゼンに抱く、強い感情描写のシー...
それぞれの分野において、世界的なオーソリティーとしてその名望が確立している人物を眺める際、多くの人は、その人から伝わってくる「人格」と「凄み」は、過去から持ち得ていた、と感じているのではないでしょうか。 前回の解説で、臨...
『大人の友情』の9番目のテーマは、「友情と同性愛」です。このテーマもこれまでと同様に、4つのエッセイによって語られているのですが、少々キャッチ―なテーマですね。読者のみなさんも、4つの話がどのように展開されるのだろうか…...
『大人の友情』の8番目のテーマ「裏切り」の最終話は、「裏切るより他はない」がタイトルです。前回の解説で予告したように、大変な意気投合から始まった、フロイトとユングの友情が、どのような顛末を迎えたのか… 河合さんはこのエッ...
河合隼雄さんの『大人の友情』の8番目のテーマは「裏切り」で、4つのエッセイで構成されています。1話目は、太宰治の『走れメロス』を、2話目では、夏目漱石の『こころ』を取り上げています。今回は3話目の「同一視の不思議」です。...
河合隼雄さんの『大人の友情』は、8番目のテーマとして「裏切り」を選択し、28話から4つのエッセイが配されました。その最初のエッセイは、太宰治の『走れメロス』を取り上げます。太宰の描く究極の「信実」を読み込み、河合さんは、...
河合隼雄さんの『大人の友情』の8番目のテーマは、「裏切り」です。28話からの4話で構成されたエッセイは、臨床心理学者である河合さんの真骨頂が感じられる内容となっています。最初のエッセイタイトルは「信義を守る」です。有名な...
「碁に凝ると親の死目に逢わぬ」という諺がある… から、『大人の友情』の7番目のテーマ「碁がたき、ポンユー」はスタートしています。その最後である4話のタイトルは「碁がたきの味」です。これまでの3話では「碁がたき」という言葉...
河合隼雄さんの『大人の友情』の26話は、7番目のテーマである、「碁がたき、ポンユー」の3話目である「家族とゲーム」です。「家族関係は崇高な“仕事”である!」と、捉える河合さんですから、このエッセイも「家族とは?」の解明に...
河合隼雄さんの『大人の友情』の25話は、7番目のテーマである、「碁がたき、ポンユー」の2話目である「悪口の応酬」です。前話は『広辞苑』ではじまり『広辞苑』で終わっています。河合さんは、麻雀というゲームを通じて「お互いに気...