日本人自らが「オリエンタリズム」に囚われてしまっている…
(中沢)僕は、大学の時、周りの仲間はヨーロッパやアメリカへ留学して、僕だけカトマンズへ留学してしまった。(河合)すごいですね。(中沢)いや、それでもっと何か変なことになっちゃったんです。僕は仏教をやっていますが、日本の仏...
(中沢)僕は、大学の時、周りの仲間はヨーロッパやアメリカへ留学して、僕だけカトマンズへ留学してしまった。(河合)すごいですね。(中沢)いや、それでもっと何か変なことになっちゃったんです。僕は仏教をやっていますが、日本の仏...
(生成AIへの質問)中沢新一さんが『ブッダの夢』の中でスピノザを語っています。この河合隼雄さんとの対談は1990年代です。そして30年を経た現在、日本の哲学者や識者が、スピノザを紹介することが多くなっているように感じます...
(河合)チベット仏教の場合は、善悪の対立そのものから解脱しているでしょう。仏教の単純な理解では、ぱっと煩悩として否定するのは、僕、好きじゃないんですけど。(中沢)ただ仏教も、教えの方法が四万八千というほどたくさんあって、...
(河合)すごいですよ。ユングは、女性がいっぱいいましたからね。しかも、彼は、当時、女性との関係を相当公然と生きてたんだから、すごい人間ですね。今だったら、そういう人はいっぱいいるでしょうけど、あの当時に生きてたんだから。...
ユングは女性たちから多くのことを学んだ。しかし見方によれば、ユングは女性たちから学ぶだけ学ぶと、彼女たちを足蹴にしたともいえる。ヘレーネのことも、ザビーナのことも、その存在と、ユングへの大きな影響力を人々が知るようになっ...
(中沢)僕は、カソリックに対しても、キリスト教全般に対しても、それを全霊をこめた信仰とすることはできないのです。むしろベルナノスのような悪を描いたカソリックの作家や、バタイユのような反カソリック思想に、親近感をおぼえるの...
(中沢)僕はそれを読んで、自分の中に流れている血を、初めて確認したのです。僕の中には、悪に対する強烈な関心がある。悪は、要するに過剰にした自然なんだという意識がお祖父さんにもあったと思います。それを読んだ時、僕は、一種の...
(中沢)…… だから僕が知っているお祖父さんは、早朝五時に起きて、マラソンして、トマトに水やって、ニワトリに餌やって、それから神に祈りを捧げて、物も言わず食事して、それから診察室に行くみたいなお祖父さんだったわけです。だ...
(河合)僕は、小さい時から極端な倫理的人間だったんです。(中沢)よくわかります。(河合)二年ほど前に「源氏物語」を読んで、大感激したんだけれど、若い時に読んでたら、絶対よう読まんと思いますね。源氏に腹が立って腹が立って(...
(中沢)ナヴァホの砂絵は曼荼羅そのものです。(河合)さっき言ってた、アメリカ人のつくった箱庭にほとんど砂絵みたいな感じの、出てきます。みんな見た時にもうハッと息を吞んだけど。(中沢)ナヴァホの砂絵は主体のことを強調してる...
(中沢)……白人は自分たちのプリンシプルがインディアンのものと違うということに気づいたとき、自分たちと同じプリンシプルに彼らを変えてあげなければならないという親切心を発揮しました。教育を与えたりしてね。ところがインディア...
(河合)それは何度も出てきますね。『アメリカ・インディアンの神話…ナバホの創生物語』(大修館書店)では、男と女が喧嘩して別れて住むというわけですよね。別れて住んでもとへ帰ってくるんだけど、ほんまにただもとに帰ってくるとい...
(河合)このインディアンの話を読むと、夫婦喧嘩もなかなか面白いといって、男と女のすごい戦いがあるでしょう(笑)。(中沢)アメリカ・インディアンの神話が面白いところは、なにかの教訓があるからですよね。その教訓が、何ていうの...
「対称性人類学」とは、人間と自然、主体と客体、自己と他者といった二項対立を再考し、それらを対等で相互作用的な関係として捉え直す視点を提案する学問的アプローチです。中沢新一氏は、この考えを通じて、現代社会の分断や非対称性を...
(河合)ちょっと途中だけどね。日本のいわゆる学者というのは、イマジネーションが貧困すぎるんですよ。自分のイマジネーションを超えたらみんなフェイクと言ってる。(中沢)僕なんか終始一貫フェイクと言われ続けています(笑)。だか...