「善きマネジメント」のはずが、部下にとって「監視」になっている…?

(吉本)
ちょうど私たちの世代が、そういうのを変えていく世代なんですね。
(河合)
そう思います。
(吉本)
私よりも下の世代が、ちょっと時代がいい、自由というんじゃないけれど、少しはそういうことを取り入れられるようになってきているのかなあと。
(河合)
そう考えたら、なかなか自分たちの力で考えることができない子どもたちの世代がかわいそうですね。大人の言うとおりにしかできないわけですから。子どもを観てたら、本当に気の毒だと思うね。
(吉本)
いまの子どもですか?

河合隼雄さんと吉本ばななさんの対談『なるほどの対話』の第1章「若者のこと、しがらみのこと、今の日本のこと。」の7番目の見出し「放っておかない社会」の中から引用しました。
四半世紀前の対話です。したがって、ばななさんが言葉にした「今のこどもですか?」は、現在では「子育て世代」になるわけです。河合さんは「その25年前の子どもたち」のことを、次のように観ていました。

(河合)
うん、本当にかわいそう。昔は親が忙しかったからね。監視する時間がなかったから。
(吉本)
兄弟がいっぱいいたし。
(河合)
親はときどき思い出しては怒鳴ってたわけだけど。その合間、合間に子どもたちは好きなことができた。

2025年12月28日(日)の日本経済新聞1面の大見出しは「子育て時間増すばかり」でした。「子どもの数が減っているのにもかかわらず、一日に費やす子育ての時間が25年前で女性が1.4倍。男性は3.6倍になった」という内容です。男性が女性に比べて増えているのは「男性の育児参加」が背景です。であれば、性役割分業が強いられていた女性は減ってもいいのに… さらに増えている。
日経新聞はその要因を、「一人の子どもを大事に育てなければいけない『良い親プレッシャー』の存在が浮かぶ」と、分析しています。日曜版の1面は「チャートは語る」というシリーズ企画であり、複数のテータを示し「ファクト」を語ります。

河合さんが指摘した「監視されて育った子ども」は25年後に、自分の子どもを必死に「監視しつつ」育てている、ということですね(「監視」ではなく「見守っている」と思いこんでいるのでしょうが……)。よく「子どもの頃に経験した環境の影響が大人になって再現される」と言われます。「人間は社会的・環境的動物である」ことがしっかりと伝わってきます。

さて、この「コーチング大百科」は、コーチングを語ることです。筆者は見出しタイトルの「放っておかない社会」に響いています。お二人の対話と日経新聞の分析は、私たちが「善かれと思ってかかわる行為」が、実は「対象者を縛ってしまっている」ということを語っていると。

エグゼクティブコーチングは、経営層をクライアントにセッションを行ないます。その職能の中心は「マネジメント」になるわけですが、組織運営がうまくいっていないと感じる会社にありがちなのが、「経営層そして管理者は、マネジメントしているつもりが、部下は『監視されている』と受け止めており、自律して行動することを疎外している」という傾向です。
エグゼクティブコーチは、そのことに気づきます。ただし、直接「そのような感想」は述べない。コーチングのさまざまなスキルを使って、クライアント自ら「そのこと」に気づくのを「待ちます」。

プライドの高い経営者は、そのことを「わかっていながら」、「そうではない」と思い込んでいる(無意識に)。
経験を積んだコーチは、「指摘しないことの効果」を熟知しています。コーチングが本当に機能すると、その「気づき」をクライアントが「自らの意思」で言葉にするのですね。
「放っておく」は、少し直截な表現ですが、今回は「そこに見出される意義」を語ってみました。コーチングは奥が深いですよ。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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