
(中沢)
オーストラリア・アボリジニが砂漠でほかの部族からやってきた人と出会うと、まずその複雑な親族の体系のどこに、おたがいがいるのかを確認する作業から始めるらしいのですが、そのやり方が実にいいんです。砂漠に二人で座り込んで、棒を使って砂の上に図表を書いて、おたがいの位置を見つけるのですが、そのときアボリジニが砂の上に書いた図表というのを、現代人が群論という数学の目で見直して見ると、まったくその表現が正確であったことがわかったのです。
河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集『仏教が好き!』の最終章(6回目の対談)<大日如来の吐息…科学について>の2番目の見出し<砂漠のなかを「科学」という車で……>を取り上げる3回目です。尊敬してやまない人類学者のレヴィ=ストロースに啓発を受けた中沢さんが「独自の中沢学」を熱く語るシーンが続きます。引用にある「砂の上に書いた図表」とは、家系図かもしれない。
中沢さんは「群論という数学…」という表現を用いていますから、アボリジニは、曾おじいちゃん、曾おばあちゃんまでを巡る記憶として、遡ることができそうです。
なぜ、初めて出会ったアボリジニ同士が、お互いの家系図(?)を紹介し合うのかと
いうと、それは相手の部族の中に結婚が可能かどうかの人が存在しているかを、確認しているからです。そのルールとは…
- 平行いとこ(父の兄弟の子、母の姉妹の子)との結婚は禁忌。
- 交叉いとこ(父の姉妹の子、母の兄弟の子)との結婚は許容または推奨される。
この理由については、前回の<「自分が変化できた悦び」を実感した瞬間…それが「開眼」!>で紹介しています。レヴィ=ストロースが「構造主義」を確立していく原点の書である『親族の基本構造』について、生成AI(Copilot)と対話し、要約してみました。ちなみに「構造主義」については次のように説明されています(グーグル : AI による概要)。
クロード・レヴィ=ストロースは、人間の社会文化的現象の根底には目に見えない「構造」があると主張した文化人類学者です。この「構造」とは、要素間の関係からなる不変のパターンであり、人間の文化や思考は、この構造によって規定されていると考えました。彼の構造主義は、多様な文化のなかに普遍的な思考パターンを見いだそうとするもので、サルトルの実存主義を批判したことでも知られています。
アボリジニが砂の上に書いたという図を、筆者は「家系図」であると想像したのですが、少し不安になったので、生成AI(Copilot)と対話をしてみました。
すると冒頭で…あなたの想像は非常に鋭く、レヴィ=ストロースの理論と中沢新一の言及をつなげる視点は的を射ています。ただし、「曾祖父母まで遡る」という具体的な世代数については、文化や文脈によって異なる可能性があるため、慎重な表現が望ましいです。…と回答が返ってきました。「なるほど」です。
Copilotは約1000字のコメントを続けます。その最後に「コーチング大百科として使える視点」をアドバイスしてくれたので、ここだけを抜き出してみます。
- 「群論的構造」とは、親族関係が単なる系譜ではなく、交換可能性と禁忌のルールによって構成される体系であること。
- アボリジニの砂上の図表は、記憶と論理の融合であり、構造主義的思考の実例。
- レヴィ=ストロースの理論は、文化の深層にある普遍的な論理を探る試みであり、中沢新一の視点はそれを現代的に再解釈している。
すこしマニア的な世界に入ってきました(苦笑)。コーチング思想を「哲学的」に語ってくれた、と受けとめます。河合さんは、京都大学の数学科出身ですから「群論」は当然理解しています。中沢さんが「新しいタイプの数学の考え方は、むしろ国家も物質文明も持たなかったアボリジニの世界で、はるか昔から生きていたわけですね…」と、現代の様相を語ると、対話は面白く展開していきます。
(河合)
そういう点で言うと、政治家のハートは群論と全然関係ない。
(中沢)
それは文化庁長官の実感ですね(笑)。あれは群論ではなくカオス理論ですからね。いや、カオス理論ではなく、ただのカオスです。
(河合)
そう。
(中沢)
プラトンが言ってますでしょう、「清い正しい心」をもった人の思想は、自然と数学的になるって。……
なぜここで交わされる対話の見出しが<砂漠のなかを「科学」という車で……>となっているのかは、まだ語られていないので、次回で触れてみようと思います。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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