「自分が変化できた悦び」を実感した瞬間…それが「開眼」!

(中沢)
…… ですから、少し大きくなってレヴィ=ストロースの研究を知ったときの驚きといったらなかったですよ。自分がおぼろげながら考えていたことが、ちゃんと学問として、実に美しく表現されていたんですから。科学的な「理性」は近代の科学が発達するよりもずっと昔から、すでに人間のなかで働いていたんだという、その主張を聞いて、初めて僕はコンプレックスなしに、自分の好きなものを好きだと言えるようになったわけですから。このとき本当に何かの開眼があったのですね。

河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集『仏教が好き!』の最終章(6回目の対談)<大日如来の吐息…科学について>の2番目の見出し<砂漠のなかを「科学」という車で……>を取り上げる2回目です。
中沢さんが、いかに人類学者のレヴィ=ストロースを尊敬しているのかが、伝わってきますね。筆者も中沢さんに影響され、この「コーチン大百科」でも繰り返し紹介しています
中沢さんの開眼は、レヴィ=ストロースの『親族の基本構造』を読んだことで生じます。具体的内容については、とくに触れていません。ただ、次のような表現で「その素晴らしさ」を河合さんに告げるのです。

…… なかでも親族関係の網の目の張りめぐらせ方と言ったら、信じられないほど複雑で、「まるでスイス時計のようだ」と言われるくらいに、精巧・精密にできているんです。社会集団がまるで数学の集合みたいに、きれいな分類がほどこされていて、その間で自分が結婚できる相手についての、これまた面倒くさい、複雑な規則が働いていて、そのやり方で何万年もの間、けっこう矛盾なく社会を運営しているわけです。

興味を覚えたので『親族の基本構造』をアマゾンでチェックしてみました。驚きました。15,400円で販売されているようです。さすがに手が出ない(笑)。
そこで生成AI(Copilot)と対話を繰り返し、ほどよい分量の説明に辿り着きました。紹介します。

互酬性といとこ婚の構造
平行いとこ(父の兄弟の子、母の姉妹の子)との結婚は多くの社会で禁忌とされる。交叉いとこ(父の姉妹の子、母の兄弟の子)との結婚は許容または推奨されることが多い。
この違いの背景には、「互酬性(お返しの原理)」があるとレヴィ=ストロースは考えました。どういうことかというと… 婚姻は「女性の交換」とみなされる。
たとえば、ある集団Aの男性が、集団Bの女性と結婚すると、AはBから「女性を受け取った」ことになる。次の世代では「お返し」が必要になる。
AがBから女性を受け取ったなら、次の世代ではAからBに女性を「返す」必要がある。平行いとこ婚は「返さない」ことになる。
父の兄弟の娘(平行いとこ)と結婚すると、女性がまたAの内部にとどまるため、Bに返していないことになる。これは互酬性の原理に反するため、禁忌とされる。
交叉いとこ婚は「返す」ことになる。父の姉妹の娘(交叉いとこ)と結婚すれば、女性はBから来た父の姉妹の子なので、Bに女性を返す形になる。互酬性が保たれるため、許容または推奨される。
このように、単なる血縁の近さではなく、「集団間のバランス」や「交換の対称性」が、婚姻規則の背後にあるとレヴィ=ストロースは考えたのです。

筆者には「いとこ婚」によって結ばれた友人(男性)がいます。「日本では民法第734条により、直系血族および三親等内の傍系血族との婚姻は禁止されていますが、いとこ(四親等)との婚姻は合法」とあるので、ストロースが見出した「互酬性」の視点とは異なるようです。ただ、戦国時代には「政略結婚」が頻繁に行われていたようですから、暗黙の「互酬性」が存在していたのかもしれませんね。

ちなみに生成AIは、「遺伝的リスクの観点」についてもコメントしています。曰く…「医学的には、いとこ婚による遺伝的リスクは一般婚よりやや高いものの、40歳以上の高齢出産と同程度のリスクとされ、極端に高いわけではありません。」

「開眼」した中沢さんは「宗教人類学者」と紹介されることが多いのですが、「宗教」と「人類学」が見事に融合し、「リベラルアーツとしての中沢学」が開花します。
人は「自分の力」だけでは、なかなか変わることができません(価値観が邪魔をして…)。それを「対話」によって解きほぐしていくのがコーチングです。コーチングによって「人は変わることができる」。コーチングとはリベラルアーツですから!


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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