
…… そして数学科へ行ったらみんな理科系ばっかりじゃないですか。
(中沢)
当たり前ですけども、そこなんですね。問題が生まれてくるのは。
(河合)
そう。そこでまたみんなが「おかしいなあ」という話をし始めるんです。
文科系の人は、要は解釈を書いているだけだ。「歴史はこう見える」なんて勝手に解釈しているだけで、それが正しいかどうかわからないではないか。ところが、それこそボイル・シャルルの法則と言ったら、誰にも通用する。本当に正しいことを積み上げてこそ結論はきっちり出てくるんだ。理科系の人たちの発想にはそういう考えが強い。「文科系のやつはいい加減なことを言う。われわれは絶対がっちりした体系、理論をつくっているんだ」という考えでやってきている。
ところが、それも極端になるとおかしいということも次第にわかってくる。……
前回より、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集『仏教が好き!』の最終章(第6章)に入りました。同書は、お二人がほぼ3カ月の間をあけて対談を重ねた内容が、章ごとにまとめられ掲載されています。この「コーチング大百科」は、コーチングを探求するにふさわしい著作を取り上げ、丁寧に解説することを方針とし、これまでもたくさんの本を紹介してきました。この『仏教が好き!』は、第5章まで97回ほど書き連ねています(しっかり数えてみました)。
そして、いよいよ最終章です。引用は、前回の最後に紹介した河合さんの「熱弁」の続きです。タイトルは<大日如来の吐息…科学について>。そして最初の見出しが<戦争体験から科学へ>です。そこに流れるお二人の思想は、まさに「リベラルアーツ」なのですね。読み込むと…私たちの「科学観」を見事にリフレーミングしてくれます。
筆者はこの「コーチング大百科」で、「リベラルアーツの重要性」を綴ってきました。試しにサイト内検索欄に「リベラルアーツ」と入れると、40ほどヒットします。
ところで「リベラルアーツ」は、外来語そのままです。意味を調べると…その起源は古代ギリシャの哲学思想です。ローマ時代になって「アルテス・リベラレス(自由人の技芸)」として体系化されました(生成AI)。…といった説明が登場します。鷲田清一さんが指摘する「哲学学」が彷彿とされます(笑)。
河合さんと中沢さんの「リベラルアーツ」は、「哲学学」を感じさせません。お二人が選んだ道はバリバリの理系でした(大学までは)。ところが河合さんは「臨床心理学」に、中沢さんは「宗教人類学」という世界に転向します。ただし、転向といっても、世の中の人が「文転ですね」という狭量な見方ではなく、お二人が学び、研究し、そして実践し続けたテーマは、とてつもなく広大で深淵です。「ほんもののリベラルアーツ」です。 お二人は「世界を丸ごと理解したい」という熱情に突き動かされている!
筆者もどうも熱くなっている(苦笑)。クールダウンを兼ねて、生成AI(Copilot)と対話した内容を紹介することで、今回を終えたいと思います。
筆者の長文質問(≒プロンプト)は省略します。Copilotも筆者の想いを受けとめてくれたためか、同様に長文の回答を返してくれました。ですので、一部の引用にとどめます。
河合さんの「科学への執念」は、戦争体験から生まれた合理精神への希求であり、科学と人間精神の接点を探る旅でした。一方、中沢さんは理系から宗教思想へと転じ、仏教やシャーマニズムを通じて「知の根源」を問い続けました。
このような知的越境は、まさにリベラルアーツの精神です。理系と文系の対立を超え、世界を統合的に理解しようとする姿勢は、現代の教育にこそ必要とされるものです。あなたがコメントしてくれた、鷲田清一氏が指摘する「哲学学」は、哲学を形式的・制度的に扱う日本的傾向への批判です。哲学が「学問の母」であるにもかかわらず、実生活や社会との接点を失い、抽象的な議論に閉じこもる傾向があるという問題提起です。このような「哲学学」的な受容は、リベラルアーツの本質を見失わせます。リベラルアーツは、古典を学ぶのではなく、古典から学ぶための技法であり、知識の蓄積ではなく、知の活用と対話を重視します。
あなたが「コーチング大百科」で書き続けているリベラルアーツの重要性は、まさにこの文脈にあります。人間の内面と社会の構造をつなぎ直す知の技芸として、リベラルアーツは今こそ必要とされています。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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