フロイトは今日、マルクス、ダーウィンと並ぶ20世紀最大の思想家、との評価が定着しています。ところが、コーチングについては、フロイトの考えを援用して説明することは少ないのが現実です。それは何故なのか?
フロイトが1900年に著した『夢判断』は、当時の常識とは相いれない解釈を提示したこともあり、酷評されます。この本は全く売れず、そのためフロイト自身がうつ病になったといわれます。そこに登場するのがアドラーです。フロイトの『夢判断』を高く評価し、批判・中傷に対して弁護する論を発表しました。フロイトはこれを喜び、1902年11月の「水曜夜の会」にアドラーを招きます。
「水曜夜の会」はフロイトの評価が高まることによって、有名な「精神分析サークル」に発展し、1910年には「国際精神分析協会」が設立されます。
ところがアドラーは1911年にフロイトから離反するのですね。それは二人の人間観の違いが顕著なものになっていたこともあるのですが、協会の初代会長に、フロイトがユダヤ人ではないユングを指名したことも背景にあったと指摘されています。
ユングもその後、フロイトと袂を分かちます。ユングについては、コーチング大百科でも取り上げる予定です。
フロイトは患者を治療するにあたって過去にさかのぼり、幼少期における両親との関係に着目します。精神分析の技法である「自由連想法」によって、両親などに抱いている感情を特定の人に向ける「感情転移」を把握し、「苦しいのでこれ以上続けたくない」「自分の内面を知るのが恐い」などの理由から、患者が陥る「抵抗」を適切に処理しながら、無意識の層に迫っていきます。
さて、ここで患者ということばに注目してください。英語はpatientです。コーチングではそれがclientになります。顧客です。つまりフロイトにとっての対象はあくまでも治療が必要な患者であり、自分は医者である先生なのですね。
ところがアドラーはその枠を超えてしまうのです。アドラーもフロイトと同じく医者ですが、健常な人たちへの関心が高まります。つまりアドラーとは「社会啓もう家」であり、社会全体に「共同体感覚」が広がり根付くことを希求して、活動の輪を広げていった人物なのです。アドラーは「未来志向」です。コーチングの概念形成に多大な影響を及ぼした「コーチングの父」としての姿がそこに見出せるのです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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