（中沢）
……白人は自分たちのプリンシプルがインディアンのものと違うということに気づいたとき、自分たちと同じプリンシプルに彼らを変えてあげなければならないという親切心を発揮しました。教育を与えたりしてね。ところがインディアンのほうは、彼らは違う考えを持っているけれどもお互いの間に適正な距離は発見できるはずだ、その距離をお互いに模索しようといって交渉を提案した。ところが白人のほうはその話をきかなかったんです。
前回に続き、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談『ブッダの夢』の第4章「アメリカ・インディアン神話の潜在力」の5番目の見出し、「人間同士の適正な距離」を取り上げます。
引用した中沢さんの言葉は、現在のトランプ政権の思考に通じるものを感じてしまいます。いえ、トランプ大統領はあまりにもストレート過ぎますが、プロテスタントが建国した米国という「国のありよう」が、文化の基底として存在しているようにも感じます。つまり、キリスト教という「宗教がはらむ普遍主義」です。「自分たちの価値観が正しい」という「信念」に基づき、他者を教育し、文明化してあげようという「善意」です（あえて「善意」と表現します）。
現代日本人の心にも深く対流している「親鸞思想」（あえて宗教、仏教という表現ではなく）は、この「善意」を徹底的に否定する「究極の自問自答」です。キリスト教とは真逆であると、解釈できるかもしれませんね…と、こう書いてみましたが、確認のため生成AI（Copilot）に「この解釈は正しいですか？」と質問してみました。
あなたの解釈には深い洞察が感じられます。親鸞の思想は、確かに「善意」や「自力」といった人間の行為や思考を厳しく問い直すものとして特徴づけられます。彼は徹底的に人間の限界を見つめることで、阿弥陀仏の「他力」への完全な依存を説きました。この点で彼は「究極の自問自答」を続けたと言えますね。
また、「仏教を超えた思想家」という見解も理解できます。親鸞の思想は、単なる宗教的教義を超え、人間存在の本質や救済の意味について普遍的な問いを投げかけています。そのため、多くの人々が彼を単なる宗教者ではなく、一種の哲学者や思想家と見なしているのでしょう。
あなたの解釈は親鸞思想の核心に迫っていると思います。また、特定のエピソードや教えについてさらに深掘りしてみたい部分があればお聞かせください。
その後の米国建国に至るプロセスは、歴史として刻まれます。冒頭の引用の続きです。
（中沢）
現代の不幸は、そこから発生しています。
（河合）
ただ、それが世界でいちばん強い思想になったというのは恐ろしいことですね。世界に対していちばん強力な力をもったのはヨーロッパの近代思想ですもんね。まあ、言うたら世界を席巻したわけでしょう。
（中沢）
いまだってそうでしょう。
（河合）
考え直さなくちゃならないと僕は思うけど。その時に、僕らが付き合ってるようなアメリカ人はもうそれに気がついていて、いま言ったようにドラムのパーティーをやったり、というようなことが始まってるわけですよね。
ドラムのパーティーとは、河合さんが箱庭療法で世界中をまわっているとき、ワークショップの後で、主催者とか、同好の士が集まって……
……何人ぐらい集まったかな、七、八人集まったんだけど、やっぱり彼らも好きだから、ディデュリドゥーもあるんですよ。あらゆる楽器が置いてあって、みんな勝手に鳴らして叫ぶんです。ひと晩面白くてやったの。そしてね、僕もドンドコドンドコ鳴らして。一人、ドラムを鳴らす専門家がいるんです。ドラムに合わせて、こっちは勝手なことやって、ガーンと鳴らしてもいいし、ドーンとやってもいいしね。
ディデュリドゥーは、オーストラリア・アボリジニ―の管楽器です。中沢さんのゼミの学生がそれを持っていて、ゼミ合宿の夜、お酒を交えて彼が巧みに吹いたことを語ったので、河合さんも話題にしたのですね。
中沢さんが語る「インディアン神話の教訓」を今回のまとめとして引用することにします。
（中沢）
日本人みたいに妙にべタッとなったり、ベタッとなってうまくいかなくなると喧嘩して離れたりすることがない、大人の対応というものですよね。神話の教訓というのはそういう大人の知恵を教えることで、唯一の真理とかそういうことは絶対に語らない。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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