哲学はまた、論文を書くことでもない。プラトンやパスカル、ニーチェも論文を書いたわけではない。三つめは、一人で考えるのではない、コミュニケーションが哲学の思考には必要だ。対話するなかで別の視点に気づき、新たな方向が見つかる。
(日本経済新聞11月6日31面「期待高まる哲学 どう生かす~哲学者・大阪大学名誉教授 鷲田清一氏」より引用)
日経新聞の31面の、ほぼ全面に掲載された鷲田清一さんへのインタビューに啓発を受けています。「CBLコーチング情報局~コーチング大百科」は、コーチングを語ることであり、鷲田さんの言葉一つひとつが、コーチングに敷衍できることが実感されるのです。コーチングは、クライアントが描くゴールに向かってコーチが伴走します。一人ではなく共に考えていくのです。それは会話を超えた「対話」です。
コーチングはリベラルアーツであり、「philosophy」はリベラルアーツの原点なのですね。
掲載記事の最後で、日経新聞元編集委員の玉利伸吾さんは次のようにコメントしています。その囲みの見出しは「知が不足する教育現場 考える土台の再構築を」です。
近年は、人文系の学問の重要性がまた、見直されている。文理融合型の学部設置やリベラルアーツ(基礎教育)に力を入れる大学も増えてきた。しかし、考える土台になる哲学を本格的に組み入れる動きは見られないようだ。日本では30年以上、停滞と衰退が「当たり前」だった。「学び舎」も、新しい知を生めない「栄養不足」に気づいているはずだ。「哲分」の補給を急がなくてはならない。
「てつぶん」と入力すると、「鉄分」と表示されます(当たり前ですが…笑)。「哲分」とは言い得て妙ですね。
冒頭の引用に続いて、インタビュアーは、「実践はたいへんそうですが、何が重要ですか?」と質問します。鷲田さんの回答は…
「臨床哲学」は、哲学の専門家がやるわけではない。例えば、エンジニア自身がエンジニアリングとは何かを深く考えるようになることだ。難しい問題と向き合うことになるが、決められた作法があるわけではない。
11月6日に掲載された鷲田さんへのこのインタビューを取り上げる前に、鷲田さんと河合隼雄さんの対談(+お二人の一人語り)である『臨床とことば』を引用しながらのコーチング解説を70回重ねてきました。その中で河合さんは、「いわゆる学問体系というのは、まず方法論が明確であって、方法論によって皆を安心させて……」と、語っています。つまり、「学問=方法論が明確である」という論理(堅い?)に安住してしまっているのが、日本のアカデミズムではないか…という指摘です。
鷲田さんは河合さんのこの言葉を受容します。そして「日本の哲学界は哲学学となってしまっている」という、強い問題意識に突き動かされて、90年代に大阪大学で『臨床哲学』の運動を開始します。
次回もう一度、日経新聞に掲載された鷲田さんのインタビューを取り上げ、コーチングを語ってみようと思います。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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