「臨床の知」は、まだまだアカデミックな世界では認めら難いところがある。そんなときに、「臨床哲学」を名乗る哲学者が現れたのだから、私としては強力な援軍が出現したと思ったのである。実は、臨床教育学というのは私が言い出したのだが、臨床経済学とか、「臨床」を冠した学問が出て来つつあるが、何しろ、諸学の基礎とも言うべき哲学の領域において、それが生じてきた。これはまさに歓迎すべきことである。
前回で、「河合隼雄さんと小川洋子さんの対談(第Ⅰ部と第Ⅱ部)」+「小川洋子さんによる、少し長すぎるあとがき」で構成される『生きるとは、自分の物語をつくること』を引用しながらのシリーズ解説を終えました。そこで今回より、臨床心理学者の河合隼雄さんと哲学者の鷲田清一さんの対談をまとめた『臨床とことば』(朝日文庫)を取り上げての、コーチング解説(同じくシリーズ)を始めてみようと思います。
冒頭の引用は、文庫本の全253ページの11ページ(見出しは「臨床の知」)にある河合さんの言葉です。今回は、同本を取り上げる最初ですので、目次を紹介し、全体観をつかんでいただこうと思います。
(第1章)臨床心理学と臨床哲学 河合隼雄
臨床の知
聴くこと
言語とイメージ
さまざまの距離
対話の必要性
(第2章)聴くことの重さ 河合隼雄×鷲田清一
臨床哲学事始め
ことばを掴んでしまう
「見る」以外の感覚を
カギは「調和」の感覚
ことばをほぐす
便宜的因果性に賭ける
事例研究と文学の違い
(第3章)臨床における「距離」 河合隼雄×鷲田清一
哲学学とハウツー時代からの離脱
ボーダーレス化した大人と子ども
現代社会の成人儀礼
人と人の距離感をどう取るか
言語化できない「臨床の知」
「食事」と「性事」
食という切実なテーマ
個より普遍に至る道
(第4章)「語り」と「声」 鷲田清一
「語り」について
他者の「全人的理解」?
時間のなかの出来事
関心ということ
語りの手前で
(語る/聴く)のなかの共犯関係
語りのゆくえ
「声」について
声の肌理
生存の、「心」よりももっと古い生地
身震い
律動
声にふれる
文庫版あとがき 鷲田清一
解説 鎌田 實
「臨床」という言葉は、「実践」に置き換えられます。コーチングも「実践」です。その上で、(株)コーチビジネス研究所は「コーチングは哲学であり思想」と捉えます。「臨床/実践」にこだわり続けてきた、臨床心理学者の河合隼雄さんが、哲学者で「臨床哲学」を提唱する鷲田清一さんの力強い援軍を得て交わされる対話は、実にスリリングです。その「臨場感」を、「CBLコーチング情報局」で体感されることを願って、書き進めてみようと思います。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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