「リフレーミング」することで「バイアス」が浮かびあがってくる
(河合)僕の大好きなのは、『毒もみのすきな署長さん』。(中沢)ああ。あれは危ない話です。とくに今は(笑)。(河合)僕は兄弟が多いのですが、皆この作品を好きになって、家じゅうで、何かあると、いや「毒もみはやめられん」とか言...
(河合)僕の大好きなのは、『毒もみのすきな署長さん』。(中沢)ああ。あれは危ない話です。とくに今は(笑)。(河合)僕は兄弟が多いのですが、皆この作品を好きになって、家じゅうで、何かあると、いや「毒もみはやめられん」とか言...
(中沢)実際に動物を殺して食べなきゃならないということを賢治はそんなに否定していないんですよね。猟師の人生に共感を持って……。(河合)『なめとこ山の熊』とか。(中略)(河合)それも頭から、なぜ熊を殺すのかっていう態度でヴ...
…… は44行存在します、続く最後の9行を以下引用します。…… 率直に述べようと思う。総ての生物はみな無量の劫の昔から流転に流転を重ねて来た。流転の段階は大きく分けて九つある。われらはまのあたり二つを見る。一つのたましい...
(中沢)だから、賢治って、そういう意味で言うと、非常に倫理的で潔白な人だけども、自分は努力してそうなろうとしている。あの人、生命力が溢れている人ですから、性欲にしたって、必死で頑張っていると思うんです。ただ、そうじゃない...
(河合)ほんとですね。だいたい、『ビヂテリアン大祭』は「異教徒」という席があって、反対論を述べる。しかもその論者が理路整然と話す人とか、非常に感情的な人とか、うまくね。僕、大学生の時にこれを読んだんですけど、すっごい感動...
(河合)僕は宮沢賢治の『ビヂテリアン大祭』(以下宮沢賢治の作品はちくま文庫)というのはね、読んだ時から大好きだったんです。今度アメリカへ行った時、今からする話をしてやろうかなと僕は思っている。というのは、僕らの仲間に、ヴ...
河合隼雄さんと中沢新一さんの対談を収めた『ブッダの夢』を読み込み、コーチングの解説を続けています。前回まで、その第1章「仏教と癒し」にある7つの見出しを順番に取り上げ語ってきました。ここまでのお二人の語り合いを振り返ると...
(中沢)ヨーロッパの場合は、神という普遍から見る。神が私たちを見ています。だから自分がやっていることを神が見ている視点と、自分が世界を見ている視点との調停点を探るような生き方をしていると正しい生き方ができるというのが、カ...
(河合)……つまり、そのことを直接には表現できないので、この線を無限にたどればそこに行きつくというような、方向と運動を与えるような言葉の使い方はできないだろうか。そういう言語の使用法というのは全く違いますね。精神分析にお...
(中沢)……この世界がもうぐちゃぐちゃで、不合理なものに覆われてしまったので、ラチオが欲しいというのでしょうが、それはちょっと違うんじゃないか。むしろありとあらゆるものが、むしろ有理数でできちゃっているんじゃないだろうか...
(中沢)文化というのは、どの文化でも、ある美を実現する瞬間ってあります。美というのは、やっぱりさっき言った黄金数じゃないですけど、なんか特別な無理数を発見するんだと思うんです。 引用は、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談を...
前回の解説の最後で、「次回は、“美”とコーチングについて考えてみようと思います。」とコメントしています。実はこの言葉には具体的なイメージがあったのですね。伊藤若冲です。 弊社(株)コーチビジネス研究所は、志を持つ経営者と...
(中沢)……僕にアメリカ人のカメラマンの友達がいて、日本の美を主題にいろいろ撮っています。彼はたしかに日本の美らしい美も撮っています。田植えのときの、きれいな伝統の飾り物を撮ったり、舞妓さんの姿やお刺身を撮っちゃったりし...
(中沢)仏教に関して言えば、鈴木大拙の『日本的霊性』(岩波文庫)、あの本は僕はもう一回、ちゃんと日本人みんなが読んでもらいたいぐらいすごい本だなと思います。そこでは禅と浄土真宗のことが取り上げられていますけど、べつに禅宗...
(河合)……あ、こんなこと先に書いてたやつがおるというんで、急に本が売れ出すわけですね。それでも、僕が欧米のユング派の人と会っていると、いま言われたように、あちらの人の言葉に対する尊敬というか、信頼感というのはすごいと思...